中公叢書<br> 母性社会日本の病理

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中公叢書
母性社会日本の病理

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120006609
  • NDC分類 140.4
  • Cコード C1011

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

58
【図書館】全体的にかなり濃厚。可能性の世界への門戸を叩くとすれば、そこにはプラスとマイナスの両面の可能性が含有していることを治療者は認知していなければならない。又、周囲の人に見放されたクライエントとつき合っていくときにも、そこには治療者が《無限性/無限の可能性》に意義を見いだしているからだが、「限定に関する痛い認識の中にこそ、その可能性が意識される」と河合はいう。本書では、河合がスイスのユング研究所で精神分析家になる過程での苦悶、葛藤、ディプレッション等を経験したことにふれていることが非常に興味深い。2015/03/25

sukham

3
①恐らく1970年代後半、高校時代に(背伸びして)通読(したつもり)。当時の(生意気な)寸評→ユング理論の鵜呑みに堕することなく、広く「日本書紀」等の日本古典を読みこなし、現代日本・社会の特徴的な病的現象に目を向けているのは、なかなか好感が持てる。agreeableだ。②p.60 「日本人は一旦形成された場をできるだけ維持しようとする傾向を持つ…場の倫理」↗❛場❜ヲバ「気・空気・雰囲気・阿吽の呼吸」と言い換えても大同小異ナラン。約五十年間殆ど変わらずにたゆとうている❛場❜の水脈又は壁、コレは是か非か。2023/04/01

左手爆弾

2
「包含する母性」と「切断す父性」、それによって誕生する「場の倫理」と「個の倫理」。筆者は日本を母性的、欧米を父性的ととらえるが、だからといってどちらがいいとは言わない。ただ、日本は「ムラ社会だ」と言われるときの「ムラ」とは、この「場」を意味するのかと痛感させられる。いつでも誰でも許してしまうからこそ、責任感や成長といったものは一切見られない。場を一歩出ると通じない理屈であるにも関わらず、場の倫理が絶対化してしまう。後半のユング研究所の話と、浦島太郎の話も面白い。2014/06/18

陽香

1
S5109102018/01/08

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