中公新書<br> 帰化人 - 古代国家の成立をめぐって

中公新書
帰化人 - 古代国家の成立をめぐって

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 188p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121000705
  • NDC分類 210.3

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんさん

4
1960年代の本だけど、日本、半島、大陸の関係、行き来する人々が広範囲にまとめられた良書でした。実在しないといわれる神功皇后の功績を干支二巡分(120年)繰り下げると、現実の歴史とマッチする、というのがなるほどでした2024/03/24

hyena_no_papa

3
数十年ぶりに読む。上田正昭氏の著書は何点か読んできたが、いつもながら淡々として一般の読者にも読みやすい。『記紀』などを多く引いて古来の帰化人とわが国との関わりとを解説している。特に7世紀の朝鮮半島の混乱の際に多くの渡来があり、彼らが単なる難民としてではなく、朝野に広く浸透して古代国家形成に一定の役割を果たしたであろうことが伺える。しかしやがて渡来人たちは差別の対象となっていく。そして近世近代での被差別部落の問題へとつながってゆくとの著者の主張は重い。我々にも帰化人の血が流れていることは間違いないのだろう。

くまきん

2
先に読んだ関晃氏の同名の著作に比すと、渡来氏族の歴史的動向よりも渡来があった時期の朝鮮半島と日本の政治的状況と彼らが我が国に伝授した技術と知識についての記述に重きを置いた様に感じた。律令制国家の体制が整って来る後の奈良時代以降に、朝鮮半島に対する蕃国史観が成立するという上田氏の指摘、実際そうだったのかどうかは私にはわからないが、日本も一種の「中華思想」的なものを持ち始めたのがこの時代なのだろうなあ、とは感じる。2015/12/03

space shatoru

2
帰化人という用語はあまり使用しなくなった言葉ですね。でも上田先生はあえて帰化人という語を使用しているんだと読んでてわかりました。しかし、奈良県明日香村や葛城の地域に良く足を運んでいるのに、知らなかったことが多いなぁと反省しています。特に、漢人や秦人などの帰化人の子孫がこんなにも多いとは!ホントに氏知らなかった。また、文献を使用しても5世紀を知ることができるのも驚きでした。ちゃんと文献も読まなければ…2013/06/03

乾良人(カムイ)

1
上田 正昭『帰化人―古代国家の成立をめぐって』中公新書 読了。 百済と古代日本の関係を調べようと思い、知人から戴いたのが本書です。特に、日本書紀や古事記が編集される前の出来事を扱っていますから、他国の文献を解読しつつ、事実の解明(合理的な解釈)に取り組む必要があったことでしょう。 本書では、「帰化人」を差別的に捉えようとする政治的な意図を排していました。 渡来者=帰化人が日本の古代に果たしてきた役割りとは? 端的にいえば、その実体を明らかにしようとするのが本書での試みでした。2013/11/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/470484
  • ご注意事項