中公新書<br> 中国の隠遁思想―陶淵明の心の軌跡

中公新書
中国の隠遁思想―陶淵明の心の軌跡

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  • サイズ 新書判/ページ数 193p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009029
  • NDC分類 125
  • Cコード C1210

内容説明

日本人にとっての隠遁とは、俗塵から解放された世捨て人の生活を想像させるが、中国の場合、政争に敗れた官僚が安全のために身を隠すことであり、自己主張を貫く手段で、常に官界復帰の時宜を見据えた現実的行動であったが、この人々も、老荘思想との出会いにより、山野に親しみ暮らすことの意義を見出すようになる。本書は、隠遁という行為をとおして、後漢から宋の陶淵明の時代にいたるまでの、中国人の思考の変遷をたどる。

目次

1 隠遁の流れ
2 隠遁のはじまり
3 不満からの逃避
4 自由へのあこがれ
5 山水を楽しむ
6 陶淵明
7 謝霊運
付 西洋、日本における美の認識

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読書記録(2018/10~)

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日本とは異なる「隠遁」の定義。時宜を得ず、自己の主張を守るもしくは護身のための退去・逃避であったり、中国の場合は常に官僚社会を見据えた行動であった。魏の正始年間ころから流行した老荘思想を背景に持つ隠遁が目立つ。終章は東晋末から宋にかけての陶淵明、ほぼ同時代の謝霊運。謝霊運が初めて山水の美を賞した詩人であったことから、自然の中に美があるという中国が隠遁生活から生み出した思想についても少し触れる。2021/08/23

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