中公新書<br> ヨーロッパを織る―イギリス的人生、フランス的人生

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中公新書
ヨーロッパを織る―イギリス的人生、フランス的人生

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  • サイズ 新書判/ページ数 209p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009036
  • NDC分類 302.3
  • Cコード C1225

内容説明

われわれにとってヨーロッパとはいったいどんな意味を持っているのか。10年に亙る滞欧生活の中で、あるいは、プリゴジン、グリュックスマン、レヴィ=ストロースといった碩学たちと語り、あるいはロンドンのクラブライフを楽しみながら、時間の観念、音への関心、伝統に対する姿勢、形式の尊重、異質なものへの対応など、日本人とヨーロッパ人との人生観の本質を左右しているさまざまな背景を、実感こめた思索をもとに描出する。

目次

ヨーロッパは私に方法を教えた―サルトルとお菓子
時間の流れには向きがある―プリゴジンと雲
静寂は歴史感覚を鋭くする―マードックと僧院
持続を願う意志を磨く―弓と蚊取り線香
自己の存在証明を問い続ける―モラヴィアと山小屋
本卦がえりで伝統を守る―オーウェルとパブリック・スクール
形式は生活の安定を導く―カフェとテーブルクロス
社交と談論は人を横につなぎ―クラブと寝覚めの紅茶
民族はそれに似合う風景を持つ―ゴルフ・クラブの異邦人
異質なるものに門戸を開く―英国の「風の又三郎」
「住み分け」で平和を構築する―寺田寅彦と降誕祭
相対思考は知の空間を広げる―トランプとレヴィ=ストロース
視線はいつも中心に向かう―斎藤茂吉のため息
都市の活気が天才を呼ぶ―隣人はスーラージュ
人間は夢を見続ける―ヴァレリーとバベルの塔

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蘭奢待

28
エッセイ。閉鎖的な倶楽部文化、伝統と格式、個人主義。ヨーロッパの良いところも悪いところもあわせ呑んでヨーロッパは素晴らしいと筆者は言いたいのか。所謂「カブレ」状態が散見される。筆者は諸手を上げて欧州統合の理想を説くが、最近のEU崩壊の端緒となるBRECXITを見るにつけ、その経済的に無理のある政策からくる諸問題への予測、洞察もないのが不思議。国の格差や移民、雇用問題、治安問題など噴出し、世界平和どころか逆に軋轢を生んでいる。「世界は一つ」での平和は単純ではない。2018/12/23

geoff

2
著者の名前を検索してウィキペディアのページを読むと、この朝日新聞のベテラン特派員はラッパーのダースレイダー氏の父親だということが分かった。ダース氏も教養あふれる人だが、著者はより古風な近代日本のインテリという感じ。新聞記者たるものかくあるべしだ。まさにこの親にしてこの子あり、と腑に落ちる。生まれは戦前の上海共同租界という。ダース氏が師と仰ぐ宮台真司氏の母親も上海のフランス租界育ちらしいが、これは面白い偶然ではないか。2024/02/09

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