中公新書<br> 日本の半導体40年―ハイテク技術開発の体験から

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中公新書
日本の半導体40年―ハイテク技術開発の体験から

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121010551
  • NDC分類 549.8
  • Cコード C1250

内容説明

20世紀後半の技術の基本的性格は、トランジスタの誕生に始まるエレクトロニクスの数々の技術革新によって決定づけられた。そのハイテクを使いこなす産業の力は、日本を国際摩擦を引き起こすほどのレベルにまで高めた。本書は、見えない、さわれない「固体の中の電子」を、はっきりとしたイメージで捉えて駆使する道をひらき、超集積回路へと展開する歴史を、戦後の日本、世界の中の日本という視点から、個人的体験を交えて語る。

目次

序章 電子が見たい
第1章 電子という概念の形成
第2章 1940年代、米国の中の胎動
第3章 戦後の日本、技術ショックの経験
第4章 日本のエレクトロニクスの台頭
第5章 トランジスタからICへ
第6章 CCDカメラ開発
第7章 成熟を深める現代技術
第8章 新しい時代への手探り―ブレイク・スルーへの準備

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kiyoshi Utsugi

34
電気試験所という国の研究所で、26年に渡って半導体、トランジスタの研究をされてきた菊池誠氏の書かれたもの。 菊池誠氏は、戦後となる1948年に東大を卒業し、電気試験所に入所されてますが、トランジスタが生まれたのが1947年の12月なので、入所してすぐにトランジスタの研究に携わるようになったみたいです。 しかもその後のIC、LSI、超LSIの分野で日本の果たした役割を考えると、一度は菊池誠氏の書いたものを読んでおこうと思って、図書館で借りてみました。 非常に分かりやすい文章で読みやすい。2023/05/18

デューク

4
戦後まもなくから、一貫して半導体の基礎研究を行ってきた筆者が語る、日本の半導体が世界を席巻するまでの記録。 筆者ははじめは通産省の研究所で、後にソニー中央研究所で、40年にわたり半導体の基礎研究を行ってきた、日本のエレクトロニクスの生き字引ともいえる人物である。そんな筆者が語る、戦後日本のエレクトロニクス秘話。筆者自身が述べるように、電子は見えず、触れもしない。だが筆者の軽妙かつ真摯な語り口からは、電子が、半導体が、そしてその産業の勃興が、目に見えるようである。おすすめ2021/10/13

まるさ

4
良書。半導体に関心を持つ人の最初の一冊としてお薦めできる。2016/10/22

unterwelt

1
通産省の研究所、ソニー、大学と渡り歩いた著者による日本の半導体産業の体験記。日本が半導体開発にのめりこんだ理由の一つとして「(敗戦によって)他にこだわるものを持っていなかったから」と書いているのが興味深い。ということは、その後の苦戦は「成功によってこだわるものを持ってしまったから」と言えなくもない。しかし10~20年かけて研究をして商品を世に送り出すなんていう事を忌避してすぐ金になることばかりやっても駄目なんだろうなという気もするが、今どき時間のかかる研究を社会や企業が容認するのかと思ってしまう。2023/10/20

Shunsuke Goto

1
20世紀のエレクトロニクスの爆発的成長の源泉となるトランジスタ発見はアメリカ。実用化し高めたのは日本。なぜ?どうやって?結果論的だが日本の持ち味が生かされる進め方だった。 アメリカはトランジスタ発展につき大局から方針を立てプロジェクトに分け進行。日本は具体的アウトプットを掲げ、課題を超え形にする。ソニー創業者井深さんがトランジスタでラジオを作るというアメリカ人に笑われるような夢を掲げ、そこに向け組織を本気にしたというのが象徴的。どっちが正しいとかではなく社会ごとの組織ごとの持ち味を捉えておくことは大切。2019/08/18

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