内容説明
これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問われており、成長の方向性について主体的展望をもち、意識的に全社的な事業構成の定義と組み替えとを行なうことが不可欠となってきた。本書は「ドメイン」というキー・コンセプトによって、それが如何になされるかを、具体例を通して考察する。
目次
序章 ドメインの定義(企業の構想の大きさ;組織体のドメイン;事業領域と戦略領域と;日本における重要性)
第1章 ドメインの構成次元(ドメインの物理的定義と機能的定義;アメリカの鉄道会社の失敗;ドメインの変化;ドメイン・コンセンサス;ドメインのおもな構成次元)
第2章 アメリカ企業の事例(事業領域の急激な変化;IBM―全方位成長戦略とその修正;ゼロックスのOA戦略)
第3章 日本企業の事例(企業の自然な成長;自然成長的な事業展開の限界;「構想主導型」経営の事例)
第4章 企業と社会の相互作用(製品の意味領域;相互作用的意味創造;オーバーシューティング〈飛びすぎ〉;意味の余剰と引き込み;停泊とスキーマの提供)
第5章 企業組織とシンクロニゼーション(理想の組織のイメージ;企業におけるシンクロニゼーション;新たな意味の広がりへ向けて)