中公新書<br> 大化改新―六四五年六月の宮廷革命

  • ポイントキャンペーン

中公新書
大化改新―六四五年六月の宮廷革命

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 314p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011190
  • NDC分類 210.34
  • Cコード C1221

内容説明

645年6月、中大兄皇子と中臣鎌足は国政改革最大の障害である蘇我蝦夷・入鹿父子を武力で排除した。これが大化改新とよばれる政変の序幕になったという筋書はあまりにも有名である。だが、これに関して残された史料は、兄大兄・鎌足中心に事件を描いた極めて偏ったものであった。クーデターの真の目的は何であったのか。そしてその首謀者は一体誰だったのか?定説化しているクーデターの謎を検証し、大化改新の実像に迫る。

目次

序章 645年6月12日
1章 国家形成と王権継承
2章 王権と藤原氏の歴史
3章 検証「乙巳の変」―人間関係
4章 検証「乙巳の変」―発生と展開
結章 「乙巳の変」のあとにくるもの―古代王権最大の分水嶺

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュン

11
えっ、大化の改新ってなかったんですか?!実際に蘇我宗家を滅ぼしたのは軽皇子で、中大兄ではなかったという。大王一族の主流派が朝鮮半島の支配にこだわり、唐の世界帝国という東アジア情勢を理解できないまま、白村江で敗北する。また律令国家の形成には50年もかかる。まるで今の日中韓の関係を見ているようでつらい。なんてことだ、日本史でならった知識は無駄だったのか(笑)2016/02/21

moonanddai

2
ミステリーの鉄則は「最も利益を得た物を疑え」。 大化改新も、天皇という最大の地位を得た軽皇子及びそれに連なる河内派閥が画策したものとか。中大兄は、226事件で言えば「青年将校」の暗殺実行犯…。 なるほど。であるならば天皇後継候補の「古人大兄」も、自ら出家し地位を放棄したのではなく、出家させられたのではないだろうか…。2012/12/18

dogu

1
大化改新というよりもその前の乙巳の変に焦点を置いている。蘇我入鹿を暗殺し蘇我蝦夷を滅ぼしたクーデターの中心にいたのは中大兄ではなく軽皇子(孝徳天皇)であったことを史料の読み直しから明らかにする。大兄と大后の意味、中大兄の即位が何故遅れたかの解説もあり。2021/10/16

印度 洋一郎

1
古代日本の転換点と言われる「大化の改新」を、従来のイメージに捉われずに再検討。当時の皇位継承システムの問題、主たる資料である記紀への信憑性への疑問、当事者達の人間関係などを一つ一つ検証していく。そこで導き出された結論とは、クーデターの実態は皇位継承を巡る王権内の分裂で、お飾りだと思われている軽皇子の擁立が主目的だった、という。鎌足も中大兄皇子も、首謀者ではなく行動部隊の一人でしかなかった。しかし、鎌足の息子の不比等や、その子孫の仲麻呂達が先祖の業績を過大に捏造したのが、通説となった「大化の改新」なのだとか2010/11/24

Mr.deep

0
ほぼ全編乙巳の変の分析に終始してるのは多少タイトル詐欺臭いですが、そんな事気にならないくらい、乙巳の変の本質は「中大兄皇子VS蘇我入鹿」ではなく「軽皇子VS古人大兄皇子」であるって新説は知的好奇心を大満足させてくれます2020/08/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/456718
  • ご注意事項