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中公新書
コシヒカリ物語―日本一うまい米の誕生

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013620
  • NDC分類 616.2
  • Cコード C1236

内容説明

「日本一うまい米」として評判のコシヒカリは、太平洋戦争末期から戦後の食糧難時代に作られた品種である。食糧増産が至上命題で食味など眼中になかった時代に、なぜ最高の食味の品種が生まれたのか。コシヒカリには多くの不思議がある。病気に弱く倒れやすい欠陥品種として、あわや廃棄処分という場面もしばしばあった。なぜこのような品種が史上空前の栽培面積を誇るようになったのか。奇跡的誕生から全国制覇に至る軌跡とは。

目次

第1章 苦難に満ちた人工交配
第2章 育種目標に反した鬼っ子
第3章 総スカンの中での品種登録
第4章 ワンマン場長決断の背景
第5章 落ち着いた所は山間地・魚沼
第6章 日本一うまい米づくりと100万トン運動
第7章 隠れていた偉大な特性と良食味の系譜
第8章 自主流通米の発足と出遅れた新潟コシヒカリ
第9章 ついに日本一の王座へ
第10章 機械化不適品種が機械化時代を制覇
第11章 コシヒカリ一門にあらずんば銘柄米にあらず
第12章 コシヒカリの食味と優良産地
第13章 ポスト・コシヒカリ開発への道

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

31
敗戦前年の1944年に主力の農林一号といもち耐性ある新品種農林22号で掛け合わせて作ったが、いもち耐性はつかず、倒伏しやすいという特徴は、育成目標から外れ、何回も育成対象から外れる危機に直面してきた。ワンマン所長の気まぐれもあって登録品種となり、普及第一歩を踏み出した。さらに、耐寒性や食味の良さ、保存性の良さは、山間地や生産過剰になった年の取引の多さ、栽培法の確立により評価されに行き、2022年には、シェア3割近く握るロングセラーになっている。2022/10/13

デューク

4
美味いコメの代名詞ともいえる、コシヒカリ。その誕生から現在に至るまでの歩みを追った意欲作。 「コメ品種の寿命は10年」と言われている。そんな中、コシヒカリは1956年の誕生から23年後の1979年に作付率1位になり、現在でも2位にトリプルスコア以上の差をつけた圧倒的王者である。普段何気なく食しているコシヒカリが、多くの人々の努力と強運とに支えられていることがよくわかる一冊。おすすめ2021/11/14

トーテムポールさん

1
食糧難の時代に何故か生まれたコシヒカリ。別に美味しいお米を作ろうとしたわけではなく、病気に強くしようとした過程で偶然生まれたもの。しかし、コシヒカリに耐病性はないし、倒伏しやすく育てにくいし、最初期では美味しさすら認識されてなかった。なんだそりゃ。そんな出来そこないだったコシヒカリが、偶然と人々の思惑が勝手に作用して、No.1の品種になるまで。日本一の米を生み出すために試行錯誤した、男たちのドラマとか、そういう類の話ではなく、ただただコシヒカリさんが天に選ばれしラッキー米だという事実だけが伝わってくる。2019/07/11

Haruki

0
コシヒカリは、米の奇跡といっても過言ではない!2013/11/08

いぬかいつまき

0
今や誰もが日本一美味しいお米と崇めるコシヒカリ。関係各位の知恵と努力の結晶であったのだろう…と思いきや、実はその誕生は全くの偶然の産物だった。戦後すぐの食糧難時代、味は二の次でとにかく多収可能な品種が望まれた中で生まれたコシヒカリは丈が長くて倒れやすく稲熱病にも弱い欠陥品。そのまま放擲されてもおかしくない境遇をしぶとく生き延び、とにかく美味という特性から米余り時代には一転、時代の寵児に躍り出、爾来半世紀近く日本一の座に君臨している。果たしてこの奇跡の品種コシヒカリを超えるコメが誕生する日は来るのだろうか。2020/09/30

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