中公新書<br> 中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界

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中公新書
中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 297p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014092
  • NDC分類 222.07
  • Cコード C1222

内容説明

本書は中国革命を駆け抜けたアウトローたちが、日常生活を如何に生き、そして如何に滅んだのかを描き、中華民国期の社会史を照射する。

目次

流浪する民
無頼の系譜
土匪(民衆を襲う者;その偏在性と地域性)
村を守る
流〓と革命
赤匪―匪の技法
絆を求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

9
中華民国初期、秩序が事実上崩壊した広大な中国大陸では人々が生き残るために、様々な武装集団が生まれた。この本では、特に貧窮した労働者や農民達が自衛自活のために集まった無頼の集団「土匪」、都市下層労働者の互助組織としての任侠集団「会党」、官立民営ながらも地主の私兵と貸した農民民兵組織「民団」、それに対して農民達が自発的に作った呪術結社「紅槍団」等、多種多様な武装する民衆について書かれている。「土匪」といっても、数万人で都市を襲撃して、制圧した後は略奪と破壊を尽くすというから、マッドマックスや北斗の拳みたい2016/12/06

Toska

6
暴力的なアウトロー世界の存在は中国に限らないのだろうけど、近代になってから、しかもこれほどの規模で国土を覆うというのはやはり稀有な例と思う。現代の中国政府が神経質なまでに下からの運動を抑えつけようとするのも、逆に民衆が無秩序なまでのエネルギーを感じさせるのも分かる気がする。政府が平気で国民に「皆さん自助しましょうね」などと呼びかける我が国とはえらい違いだが、その歴史的背景はこういうところにあったのか。2022/08/31

BLACK無糖好き

6
中華民国時代。極めて不安定な社会にあって横行する土匪(匪賊)の民衆襲撃、強奪。農民が被害を被る。同じ無頼の徒でも「打富済貧」の大義を掲げる緑林は民衆の支持を勝ち得ていた。ただ圧倒的に土匪の方が多かった。辛亥革命前の諸蜂起の動員勢力にもなった「反清復明」を掲げる秘密結社の三合会(天地会)、哥老会。清朝滅亡後は裏経済を支配する紅幇、青幇といった幇会の時代が始まる。共産党 紅軍が土匪緑林にどのように接近しその参加を得たか等、大変興味深い話が満載。多種多様な集団が登場し当時の混沌とした中国社会の一端が見えます。2015/07/15

おらひらお

3
1998年初版。民国期の中国の様子をアウトローの視点から捉えたものです。この本読むと、現代の中国人が性悪説+拝金主義を取ることもすこし理解出来るような気がしますね。ちなみに日本が華北に侵入しなかったら、どうなったか気になります。いまの中国とは違う姿だったかもしれません。2015/02/10

Myrmidon

2
速水螺旋人センセイが推していたので。面白い。20世紀前半の中国で、ほとんどそのまま三国志や水滸伝の世界が展開される。土匪が跋扈し、恐るべき暴力と悲惨の中、「緑林好漢」とか「異姓結拝(義兄弟の契)」とかが現実に機能していた世界。もちろん単なるオモシロ話ではなく、そこから中国の社会・政治システム、民衆文化、共同体論や、(90年代の)中国共産党の歴史認識まで読み取れる。「バンと土匪の違い」、「中国の村は共同体ではない」とか、なるほどである。20年以上前の本なので古い内容もあるだろうが、面白かったのは間違いない。2022/02/25

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