内容説明
散策が楽しい路地の迷宮、居心地のよいカフェ、地上の楽園を再現したパティオ、人びとの情熱を今に伝えるモスクやカテドラル。地中海都市は共通する魅力を持つ。キリスト教文化とイスラームが出会うこの地では、古来、双方が交わり、歴史に醸造された懐の深い文化が花開いた。イタリア、スペイン、モロッコ、シリアの美しい町々へ、この地を愛してやまない二人が誘う。
目次
1 歴史の重層性が生きる空間―グラナダ・アルハンブラ宮殿
2 五感に訴える心地よさ―コルドバ・トレド
3 混沌と秩序をあわせもつ迷宮―マラケシュ・フェズ
4 アラブの地上の楽園―ダマスクス・アレッポ
5 歴史と現在が溶ける都市―ヴェネツィア
6 なぜ北イタリアは元気か―ヴェネトを歩いて
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
13
(図書館)地中海オタクの二人のおじさんが、自己満足の世界をひたすら話し合っている、という印象。各々の都市が持つ良さ、素晴らしさが伝わってきて、行きたいという気にさせてくれる。写真も数多くて綺麗で、楽しく読むことが出来た。2019/01/17
takao
3
☆アルハンブラ宮殿なつかしいな。2021/04/26
funacor
1
お二人の自由な会話の内容が高度すぎ、専門的な用語に関する解説も、あまり丁寧とは言えないため、素人には辛い部分もあるが、多数掲載された美しい図版の数々を眺めているだけでも面白い。2011/07/25
塩焼き
0
モロッコとスペインで見たモスクや宮殿に対して漠然と感じていた類似性が、本書で丁寧に分析されている。目で見たものを専門家の目線がら聞けるのは勉強になる。 そして、10年前はまだシリアが観光名所として有名だった頃なんだ…果たして写真の建物は今も残っているのか?いつか自分の目で見たい。 都市の気候を生かし、そこの人々が一体となってされている街作り、東京で実現するのは難しそうだ。せめて日本の他の地域で古き良きに新しきを組み合わせて残して行ってほしいです。 私、次イタリア行くんだぁ。地中海の国3つめ。楽しみ。2018/10/08
刻猫
0
奥行きのある都市。表と裏。国際都市としての表通り、秘された生活空間。断絶ではなく、レイヤーのある接続。歴史的な重層性。居心地のいい中庭。風や光への理解。ヒューマンスケールに基づいた迷路と一体性。2015/04/10