内容説明
心はどのようにして誕生したのか。この難問を解くキーワードは「記憶」。記憶を持つことで過去と現在の照合が可能となり、それまで瞬間のみを生きてきた生物が時間と空間を獲得した、と著者は仮説を立てる。さらには快・不快という原初の感情が芽生え、物事の因果関係を把握することで、本能によらず自らの意志で行動する自由を得た―。これまで人文科学の領域とされてきた「心」に、生物学の観点からアプローチを試みる。
目次
第1章 問題のありか
第2章 心の原点をたずねる
第3章 「世界」とは何か
第4章 心のはたらく「場」
第5章 心の世界を覗きみる
第6章 心の未来はどうなるか
著者等紹介
木下清一郎[キノシタセイイチロウ]
1925年(大正14年)、大阪府に生まれる。東京大学理学部動物学科卒業。東京大学理学部教授、同大学理学部付属臨海実験所長、埼玉医科大学医学部教授などを歴任。東京大学名誉教授、埼玉医科大学名誉教授。理学博士。専攻、発生生物学
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