内容説明
構造改革の焦点の一つ「道路特定財源」。制度の代表的賛成論・反対論を巻頭に掲載したうえで、幅広い立場の意見を集約。政治、地方及びユーザーの視点もまとめて、問題の所在を示す。
目次
1 論点はどこにあるか(道路特定財源制度を支持する;非効率な行政を排除するために必要な道路特定財源見直し ほか)
2 政治(「小泉改革」の戦略と戦術を読む;政官界を揺るがす道路特定財源見直し)
3 地方の事情(道路事情は地域ごとに異なるのだから使い道もその地域に決めさせるべきだ;全国知事アンケート ほか)
4 ユーザーの声(自動車ユーザーからみた自動車税制;自動車ユーザーアンケートにみる税負担と道路整備の関係)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
2
高速道路無料化は,利用者にとっては歓迎されるべきものである.しかし,道路は使えば磨耗する.それを戻そうと思えば,資金が必要である.非利用者からしてみれば,利用者負担となっている高速道路料金にはそれなりの意味がある.賛成か反対かというのは,立場や見方によって大きく変わってくる.2011/12/07
まさきち
1
12年前の本.小泉政権が聖域なき改革として特定財源を一般財源にしようとした際の,賛否両論をまとめた本.「もう道路整備の必要はない」とした小泉政権の言い分や,地方にはまだまだ道路が必要だという各知事の言い分は,そのまま現状にもあてはまってしまう.全体として,予算が少なくなったから道路ができなかったのではなく,地方への権利委譲がなかったことが必要な道路をつくることを妨げていたことがきちんと描写されている.大切なインフラの話を,政争の具にしていた自民や官僚の思惑や,2013/02/26