内容説明
家族があちこちで危機に瀕している。どうすればよい家族づくりができるのか。著者は豊富なカウンセリング体験から、「愛」に包まれた家族という神話に疑問を投げ、21世紀の家族像を示す。
目次
1 「家族」の常識くずし(「家族」の常識をひっくりかえしてみよう;これからは親が「子ども孝行」を ほか)
2 カウンセリングの現場から―家族はどこへ?(母の「不幸」;親の親 ほか)
3 家族の「幸せ」とはなんだろう(楽な家族、無理のない家族;自分の子どもを愛せない? ほか)
4 「すきま風」家族こそすばらしい―新たな家族像を求めて
著者等紹介
信田さよ子[ノブタサヨコ]
1946年岐阜県生まれ。1969年お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒業。1973年お茶の水女子大学大学院修士課程修了(児童学専攻)。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所(CIAP)付属原宿相談室室長を経て、1995年12月に原宿カウンセリングセンターを開設、所長として現在にいたる。臨床心理士
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感想・レビュー
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みゃーこ
42
「支配する人は先だって大きく傷つき大きな被害を必ず抱えた不幸な人生を送ってきた人」である。ACは親に自分の被害を訴えない良い子たちだ。情緒の交流こそ親の役割。そこには条件づけの愛のなんのと難しいこと抜きで「ぬくもり」だけがあればいい。コウノトリが子供を運んできたわけじゃない。子供は親を選べなかった。だからせめて「生まれて良かった」と思える人生を援助する責任はある。愛より覚悟。世間の常識なんて敵に回しても自分の子供を守れますか?と問われても命を懸けて守る、と言える意志と覚悟、親としての基本であるかもしれない2015/06/24
こすとがいん
9
十数年前に書かれたとは思えないような内容、良い本でした。2015/10/23
ゆにす
2
図書館に返却するのでななめ読みの部分もありますが。親が子どもを支えているのではなく、子どもが親を支えている・・・そういう部分が多々あるなぁと思います。私も子どもを支配的にしていないかと心配なのですが、それは子どもが決める感じることで、私がどうこう考えてもどうにもならないのですね。子供のために何かを我慢して何かをやろすとするより、自分が明るい気分で過ごすことをするのがほうがいい・・・そうしよう。2014/07/31
ねええちゃんvol.2
1
★2014/08/23
Azusa_F
1
『母が重くてたまらない』から7年前の講演・寄稿禄的な面もあり、信田氏自身の考えをまとめる場面でもあり、といった印象。特に講演録のざっくばらんな口調の中に、深い憂いを感じる。こんなに前から「家族愛」なる幻想についての警告を発していたのだけど、世間はいっかな変わらなかったんだなあ。私自身もっともっと自分の抱く幻想に自覚的にならなくちゃいけないな、と信田氏の著作を見るたび襟を正してる。過ちの連鎖をここで断ち切るために。2014/03/25