NHKブックス<br> 感性の哲学

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NHKブックス
感性の哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019146
  • NDC分類 104
  • Cコード C1310

内容説明

21世紀は感性の時代といわれる。感性とは「うるおい」や「やすらぎ」、古くは「すき」などのこと。身体的自己と環境とのかかわりを捉える認識能力であり、価値判断能力である。普遍的、永遠的なものを求める西洋哲学の理性は、身近なもの、感性的なものの重要性を見落とし、環境破壊などを招いた。ギリシア哲学を専攻した俊英が、さらに東洋哲学、日本的美意識を見直し、感性の本質とその回復を探るチャレンジングな試み。

目次

第1章 感性とは何か
第2章 感性的体験と原風景
第3章 歴史的感性
第4章 概念風景から感性風景へ
第5章 ロゴスと感性
第6章 生と死の感性論
第7章 愛着の美学
第8章 逸脱の価値構造
第9章 感性を取り戻すこと

著者等紹介

桑子敏雄[クワコトシオ]
1951年群馬県生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会学研究科博士課程修了。南山大学文学部助教授、ケンブリッジ大学客員研究員、ロビンソンカレッジ・バイフェローを経て、現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。博士(文学)。現在は、環境や生命、情報にかかわる価値の問題を研究するとともに、これまでに蓄積した西洋・中国・日本の哲学の研究を知的資源として活用する道を探索している。著著に『エネルゲイア―アリストテレス哲学の創造』『気相の哲学』『空間と身体』『西行の風景』『環境の哲学』など。訳書に『アリストテレス「心とは何か」』がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あっくん

5
感性は、環境との関わりを支える本質的な能力である。との見方から、感性とは何か、近代の状況や歴史的背景、哲学などを交えながら書かれている。「好き」は対象との関わり方、愛着の感性の項を特に興味深く読んだ。愛着の破壊は文化の破壊。愛着から育まれる創造を失うことになる。読みながら公共的には難しい問題だと思ったけれど、愛着が制度を打ち破る話は美談としては報道されたりする事を考えると、言葉で表さずともそういう事なんだって思う。感性から見る視点の認識を深めるだけで救われる文化もあるはずなんだって思った。2017/05/22

うえ

4
「アリストテレスの哲学に日本人がはじめて触れたのはいつだったのだろうか…それは十六世紀の末、安土桃山時代のことである…宣教師ペドロ・ゴメス…は、アリストテレスの『心とは何か』と天体論の抜粋を用いた」「わたしは99年に『心とは何か』という翻訳を出版した…わたしのは、四番目の日本語訳ということになる。ところが同じ書物でありながらそれぞれのタイトルにはpsycheに対し「精神」「魂」「霊魂」という異なった訳語が使われてい」る。「カトリックの宣教師たちは…説得するには理論武装することが必要であると痛感した」2016/09/16

はるのおかし

0
大森荘蔵に関する一節には泣けました2008/05/23

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