内容説明
日本語学習の中間段階で現れる「誤り」を「学習者独自の文法」として捉え直した画期的な書。豊富なデータにもとづいてその実態を解明し、日本語教育のよりよい指導法へとつなげる。
目次
学習者独自の文法―学習者は独自の文法を作り出す
学習者の文法処理方法―学習者は近くを見て処理をする
学習者独自の文法の背景―学習者独自の文法は必然的に生まれる
誤用の隠れた原因―誤用の原因はいろいろなところに潜んでいる
学習者の母語の影響―学習者の母語が影響する場合としない場合がある
文法項目の難易度―難しい文法項目は複雑な処理を要求される
文法の理解と運用―「分かった」と「使える」は違う
効果的な練習の方法―うまく習得してもらうには工夫がいる
文法の習得とカリキュラム―教え方も変えていかなければならない
教室での習得と自然な習得―先生に習うのと自然に覚えるのは違う
母語の習得と外国語の習得―子供が母語を覚えるのと大人が外国語を習うのは違う
習得研究の過去と未来―習得の仕方を調べるといろいろなことが分かる
著者等紹介
野田尚史[ノダヒサシ]
1956年、石川県金沢市生まれ。大阪外国語大学大学院外国語研究科修士課程日本語学専攻修了。博士(言語学)。専門は日本語学。現在、大阪府立大学総合科学部教授。主な著書は『「は」と「が」』(くろしお出版、1996)
迫田久美子[サコダクミコ]
1950年、広島県三次市生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程日本語教育学専攻修了。博士(教育学)。専門は第二言語習得研究。現在、広島大学教育学部助教授。主な著書は『中間言語研究―日本語学習者による指示詞コ・ソ・アの習得』(渓水社、1998)
渋谷勝己[シブヤカツミ]
1959年、山形県山形市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程日本学専攻中退。学術博士。専門は社会言語学。現在、大阪大学大学院文学研究科助教授。主な著書は『社会言語学』(共著、おうふう、1992)
小林典子[コバヤシノリコ]
1946年、大分県臼杵市生まれ。筑波大学大学院修士課程地域研究研究科修了。専門は日本語教育。現在、筑波大学文芸・言語学系助教授。主な著書はSituational Functional Japanese(共著、凡人社、1991-1992)
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