出版社内容情報
デンマーク王立国語国文学会の編集によるアンデルセンの小説と紀行のほぼ全作品を，デンマーク語からの本邦初訳で紹介。アンデルセンの創作の世界が手に取るようにわかる解説・注付。
目次
スウェーデン紀行（旅に出よう；トロールヘッタン；不死鳥；キネクレ；お祖母さん；独房；乞食少年；ヴァドステナ；人形使い；岩石小島群；ストックホルム；動物園；ある物語；ウプサラ；サラ；無言の本；シェーテルダーレン ほか）
ディケンズ訪問記
ポルトガル紀行（ボルドー―メデア役のリストリー；ピニエロス―新しいわが家；リスボン、カモンイス、カスティーリョ；セトゥーバルの一か月；アヴェイロとコインブラへ；リスボンの二日）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roti
3
デンマークに生まれた童話作家アンデルセンの1849年からのスウェーデンを旅した記録を中心にまとめあげた紀行文的短編集。というのは紀行記録の他、旅行とは関係のない短編寓意小説（童話）、思考の記録の３つのカテゴリーの文章がランダムに構成されているため。それは「旅こそ我が人生」といった作者の真骨頂ともいえるテーマが濃縮されており、森と水辺の風土を良くとらえ、描かれている。全く古さを感じさせない。頻繁に「森林砂漠」という言葉が出てくるが、スカンディナビアの森はまさしく単調で、砂漠を思わせるものなのだろう。2014/06/13
