腹部CT診断学

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腹部CT診断学

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  • サイズ B5判/ページ数 397p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784498040786
  • NDC分類 492.434
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 CT診断の基本となる解剖と病態生理にこだわり,画像所見のとらえ方,考え方を系統だって,しかも明快に理解できるよう詳解した腹部CT診断テキストの決定版.ヘリカルCTの導入に伴うCTの新たな展開はもとより,最新の文献まで視座に入れて従来にない切り口で臨床に必要な情報を網羅している.実例を多数盛り込んだ懇切な入門書であると同時に,経験豊富な専門医にとっても新しい見方を得ることのできる書である. 序 腹部CTのテクスト執筆の依頼を受けて3年が経過してしまった.私の怠慢が大きな原因ではあるが,その他にもいろいろの要素が噛み合って予想より約1年半の遅れとなってしまった.理由の最大のものはこの3年間にみられたCT機器の大きな進歩,つまりヘリカルCTの導入であり,それに伴うCTの新たな展開である.執筆開始当初にはわれわれの施設においてはまだヘリカルCTは導入されておらず,原稿はヘリカルCTを全く視野に入れずに作成されていた.さらに使用する写真はそれ以前に使用されていたCT機器によるものを用意していたが,新しい機器による画像があるものは可能な限り新しい機器による写真と切替えた.この作業に約半年を費やした.  さらに驚いたことに,教科書に記載するべきレベルの話には新たな知見はないものと思い込んでいたが,新たに出版される論文に目を通していると執筆時点では不明であった事項が明らかにされていたりする.執筆中あるいは終了後の論文はほとんどこの視点で読んでいたような気がする.初校校正まで6カ月のインターバルがあったが,その間にも新たな文献の追加があり,初校校正ではかなり文献に手を入れた.  弁解はここまでとする.私がこのテクストを執筆するにあたって原則としたのは以下の5点である.  1) 画像を理解するのに必要な知識は解剖と病理と病態生理である.可能な限り実例に即し理解できるように記載したつもりである.  2) 病態生理学的事項に関しては「解説」の項を設けて詳述した.  3) CTを含め,画像診断所見は臨床的に利用されて初めて意義をなす.その所見を共通語で記載し,臨床所見ときちんと対応させる必要がある.その共通語は癌取扱い規約であり,規約と,それに対応する画像所見を詳述した.  4) ヘリカルCTに関して若干述べたが,3Dに関しては一切記載しなかった.CTはヘリカルCT,3DCTのみではない.基本は本テクストに示した解剖,病理,病態生理である.今後もこのようなテクストはその必要性を失うものではない.  5) MRI普及の今,骨盤領域ではCTは不要とされている.著者も同意見だが,MRIはまだまだ十分な普及を示してはおらず,CTで検討を行わなければならない施設も多い現状では,子宮癌,子宮筋腫,他の記載を飛ばすわけにはいかなかった.むしろ記載が必要以上に長くなったとの印象もあるが,真意はここにある.  いずれにしろCTはまだまだ画像診断の中心をなす重要な検査法である.その有効な臨床利用に,この小著が役に立てば著者の幸せである.   1996年8月 藤田信行    《目次》 目次 肝臓 1.肝CT読影の基本 A.肝臓のCT解剖(肝区域と肝内脈管)1 B.肝鎌状靭帯・bare area6 C.肝内胆管8 2.正常肝のCT10 A.単純CT11 B.造影CT11 C.撮像方法12 1.単純CT12 2.造影CT12 3.ダイナミックCT(single plane)13 4.angio-CT13 5.CTAP (CT during arterial portography)13 6.ヘリカルCT13 3.びまん性肝疾患14 A.肝のdensityの変化によるもの14 1.脂肪肝14 2.Wilson病17 3.アミロイドーシス18 4.劇症肝炎18 5.ヘモクロマトーシス・ヘモジデローシス19 6.糖原病20 7.その他22 B.肝の形態変化によるもの22 1.肝硬変22 2.慢性肝炎33 3.特発性門脈圧亢進症35 4.うっ血肝35 4.肝細胞癌,その近縁疾患36 A.肝腫瘍診断に必要なCTテクニック37 1.単純CT37 2.ダイナミックCT37 3.ヘリカルCT37 4.angio CT38 5.リピオドールCT38 6.CTAP39 B.肝細胞癌40 1.CT所見40 2.その他の肝細胞癌にみられる重要なCT所見45 3.治療方針決定上必要な検討項目53 4.動脈塞栓術(TACE)の評価58 5.PEI後の評価61 6.肝切除後のCT61 C.fibrolamellar hepatocellular carcinoma62 D.肝芽腫63 E.肝細胞癌類似疾患64 1.再生結節64 2.nodular regenerative hyperplasia (NRH)64 3.腺腫様過形成65 4.限局性結節性過形成65 5.肝腺腫70 5.胆管由来の腫瘍70 A.胆管細胞癌(肝内胆管癌)70 B.胆管嚢胞腺腫,嚢胞腺癌73 C.肝細胞癌と胆管細胞癌の混合型74 D.胆管性過誤腫75 6.原因不明の腫瘍75 A.カルチノイド75 B.悪性リンパ腫76 7.間葉系腫瘍76 A.肝血管腫76 B.間葉性過誤腫84 C.小児血管内皮腫84 D.胎児性肉腫84 E.血管肉腫84 F.血管内皮腫85 G.その他の肉腫86 8.転移性肝腫瘍86 9.炎症性腫瘤92 A.肝膿瘍92 B.肝包虫症94 C.炎症性偽腫瘍97 D.肝外傷97 1.肝被膜下血腫97 2.肝内血腫97 3.腹腔内血腫98 4.hemobilia98 Epeliosis98 10.その他100 A.髄外造血100 B.肝外腫瘍100 文献101 2胆道109 1. 肝門部のCT解剖109 A.肝門部の脈管解剖109 B.リンパ節112 2. 先天異常114 A.先天性胆道閉鎖症114 B.先天性総胆管拡張症115 C.Caroli病116 D.先天性肝線維症117 3. 胆石118 A.胆嚢結石118 1.分類118 2.画像所見118 3.CTの適応119 B.肝内結石・胆管結石121 4. 胆道含気症・hemobilia122 A胆道含気症122 B.hemobilia123 5. 胆嚢腫瘍123 A.胆嚢癌123 1.CTの役割124 2.腫瘍形態の分類124 3.CT像126 4.進展度診断129 B.胆嚢ポリープ131 6. 胆嚢炎132 A.急性胆嚢炎132 1.CT像132 2.特殊型132 B.慢性胆嚢炎134 1.CT像134 2.特殊型134 7.胆管癌136 8.Vater乳頭部癌141 9.胆管炎141  文献142 3膵臓145 1.膵のCT解剖145 2.膵の先天異常151 A.輪状膵151 B.pancreas divisum151 C.膵尾部欠損症152 3.膵炎152 A.急性膵炎152 B.慢性膵炎158 C.腫瘤形成性膵炎162 D.小児の膵炎類似疾患162 1.嚢胞線維症162 2.Schwachmansyndrome162 3.hereditarypancreatitis162 4.小児の膵炎163 4.膵腫瘍163 A.膵臓癌・膵管癌163 1.所見の取りかた164 2.撮像法164 3.CT所見166 B.腺房細胞癌173 C.膵島腫瘍173 D.膵嚢胞性疾患176 1.粘液性嚢胞腺腫,腺癌177 2.漿液性嚢胞腺腫178 3.粘液産生性膵腫瘍180 4.solidandpapillaryepitheloid tumor183 5.polycysticdisease, vonHippelLindau病185 6.貯溜嚢胞187 7.仮性膵嚢胞187 E.稀な膵腫瘍188 1.膵芽腫188 2.悪性リンパ腫188 3.リンパ管腫189 4.神経原性腫瘍189 5.肉腫189 6.形質細胞腫189 7.神経芽腫189 8.線維腫189 9.奇形腫189 F.転移性膵腫瘍189 文献192 4脾臓195 1.概括195 2.脾腫195 3.脾内石灰化196 4.脾腫瘍197 A.悪性リンパ腫197 B.類上皮嚢腫197 C.脾リンパ管腫199 D.脾血管腫199 E.血管肉腫200 F.転移性脾腫瘍200 G.脾膿瘍201 H.脾梗塞202 I.出血202 J.hydatidcyst203 K.脾炎症性偽腫瘍204 L.過誤腫204 5.その他205 A.Gaucher病205 B.Gamna-Gandynodule205 C.peliosis205 D.副脾205 E.無脾症・多脾症206 文献206 5腎・尿管209 1.腎209 A.発生209 B.CT解剖209 C.奇形・発生異常212 1.無形成212 2.異形成212 3.低形成213 4.重複腎213 5.supernumerarykidney214 6.ectopickidney214 D.腎嚢胞性疾患216 1.腎異形成216 2.嚢胞腎218 3.腎嚢胞220 E.腎腫瘍・腫瘍類似疾患225 1.腎細胞癌225 2.腎盂腫瘍236 3.転移性腎腫瘍239 4.血管筋脂肪腫239 5.腺腫241 6.oncocytoma242 7.悪性リンパ腫242 8.リンパ管腫244 9.肉腫245 10.間葉系腫瘍245 11.嚢胞性部分的分化型腎芽腫245 12.肉芽腫性疾患246 13.その他  juxtaglomerularcell tumor246 F.小児の腎腫瘍247 1.Wilms腫瘍247 2.腎芽腫症249 3.明細胞肉腫250 4.腎横紋筋肉腫様腫瘍250 5.子供の腎細胞癌250 6.成人型Wilms腫瘍250 G.炎症251 1.細菌性腎炎あるいは腎盂腎炎251 2.腎膿瘍252 3.黄色肉芽腫性腎盂腎炎252 4.replacement lipomatosis of the kidney254 5.腎結核254 6.瘢痕254 H.閉塞性疾患255 I.血管性疾患256 1.腎梗塞256 2.腎動静脈瘻257 3.腎動脈瘤257 4.nutcrackersyndrome258 5.腎静脈血栓症258 6.腎動脈狭窄258 J.外傷258 1.腎contusion258 2.腎内出血259 3.腎被膜下血腫259 4.尿嚢腫260 5.腎破裂260 6.腎茎部損傷260 7.腎出血261 K.腎不全・慢性腎不全261 L.移植261 M.腎石灰化(結石,その他)261 1.腎結石261 2.nephrocalcinosis263 3.珊瑚状結石263 4.腎結核264 5.medullaryspongekidney264 N.その他265 1.浸潤性病変265 2.PNH(paroxysmalnocturnal hamaturia)265 3.glycogenstoragedisease265 4.急性腎不全265 2.腎盂・尿管266 A.解剖266 B.閉塞性疾患267 1.結石267 2.腎盂腫瘍・尿管腫瘍267 3.retrocavalureter270 4.腎盂尿管移行部狭窄271 5.megaloureter271 文献273 6.副腎279 1.副腎腫瘍279 A.副腎腫瘍検出のための検査法282 B.原発性アルドステロン症282 C.Cushing症候群284 D.褐色細胞腫285 E.副腎癌288 F.転移性副腎腫瘍288 G.神経芽細胞腫289 H.incidentaloma292 I.神経鞘腫293 J.副腎嚢胞293 K.骨髄脂肪腫293 L.悪性リンパ腫293 M.副腎性器症候群294 2.過形成294 A.副腎過形成294 B.結節性過形成296 3.炎症297 4.その他297 A.新生児副腎出血297 B.副腎出血298 C.副腎機能低下症298 D.Wolman'sdisease299 文献299 7.腹膜・後腹膜・腸間膜・腸管301 1. 解剖301 A.下大静脈の発生301 B.腸間膜静脈307 C.gonadalvein308 D.大網・腸間膜308 E.腎筋膜・傍腎腔308 F.十二指腸309 2. 疾患309 A.傍大動脈リンパ節腫大309 1.転移性リンパ節腫大309 2.悪性リンパ腫310 3.炎症312 B.後腹膜線維症312 C.後腹膜腫瘍313 1.奇形腫313 2.脂肪腫・脂肪肉腫313 3.血管腫・血管肉腫313 4.リンパ管腫313 5.その他の間葉系腫瘍,肉腫314 6.paraganglioma,ganglioneuroma314 7.neurofibroma315 8.その他315 9.鑑別診断315 D.後腹膜膿瘍316 E.動脈瘤316 1.単純性大動脈瘤316 2.解離性大動脈瘤316 3.破裂317 F.腹膜炎・癌性腹膜炎318 G.腸管腫瘍320 1.胃癌320 2.胃悪性リンパ腫323 3.大腸癌323 4.直腸癌術後328 5.平滑筋腫328 6.平滑筋肉腫329 7.虫垂偽粘液腺腫330 H.炎症330 1.胃潰瘍330 2.虫垂炎330 3.Crohn病330 4.潰瘍性大腸炎331 5.憩室・憩室炎331 6.虚血性腸炎332 7.偽膜性腸炎333 8.放射線腸炎333 I.その他333 1.気腹333 2.腸重積335 3.腸軸捻335 4.腸間膜回転異常335  文献335 8.骨盤339 1.解剖339 A.腹膜の位置339 B.直腸・S状結腸339 C.膀胱・尿管342 D.精嚢腺342 E.前立腺342 F.子宮・腟・卵巣342 G.血管系342 H.筋膜343 I.肛門挙筋344 2.膀胱345 A.発生異常345 1.prune-bellysyndrome345 2.慢性膀胱炎346 3.神経因性膀胱346 4.膀胱タンポナーデ346 5.膀胱憩室347 6.膀胱腫瘍347 7.膀胱結石354 3. 女性骨盤臓器355 A.発生異常356 1.unicornuateuterus356 2.弓状子宮356 3.隔壁子宮356 4.双角子宮356 5.didelphys356 B.子宮の腫瘍,腫瘍類似疾患357 1.子宮筋腫357 2.特殊な子宮筋腫359 3.子宮腺筋症360 4.子宮溜膿腫・子宮血腫360 5.子宮体癌362 6.子宮平滑筋肉腫364 7.絨毛上皮腫364 8.絨毛癌365 9.carcinosarcoma365 10.子宮頚癌366 C.卵巣370 1.嚢胞性腫瘍370 2.充実性卵巣腫瘍378 D.術後,放射線治療後の評価381 4.男性骨盤臓器382 A.前立腺382 1.前立腺癌382 2.その他の前立腺腫瘍ならびに腫瘍類似病変385 B.その他386 1.停留睾丸386 2.精嚢腺387   文献387    欧文索引  389  和文索引  392