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金属材料の組織変化と疲労強度の見方

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  • サイズ A5判/ページ数 171p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784526052385
  • NDC分類 501.41
  • Cコード C3057

出版社内容情報

鉄鋼材料は、施される熱処理技術によってさまざまな変化が見られる。その熱処理条件の相違によって得られる金属組織は材料の疲労強度に大きく影響してくる。本書では、金属組織と疲労の関係を実例を中心にやさしく解説する。

目   次
 
本書を学ぶための豆知識
 1 熱処理に関する小知識 
 2 熱処理によって生ずる金属組織とその特徴  
 3 疲労強度に関する小知識  
1章 鉄鋼材料の誕生
 1.1 銑鉄を造る  
 1.2 銑鉄から鋼を造る  
  (1) リムド鋼  
  (2) セミキルド鋼  
  (3) キルド鋼  
 1.3 粗鋼から製品までの工程  21
 1.4 連続鋳造法  
 1.5 鉄鋼材料の名前  
  (1) 名前の付け方の一般的なルール  
  (2) 実例  
 1.6 鉄鋼材料はどんな状態で納入されるか  
 1.7 いろいろな鉄鋼材料とその特性  
  (1) 普通鋼材  
  (2) 合金鋼材  
  (3) 工具鋼材  
  (4) 特殊用途鋼材(SU材)  
 1.8 鉄鋼中の元素の役割  
  (1) Cの役割(鉄鋼の主役)  
  (2) 特殊元素の役割(調味料の効果)  
2章 熱処理を知る前に
 2.1 金属原子の並び方(結晶構造の話)  
 2.2 鉄原子の並び方(変態の話)  
 2.3 固溶体  
 2.4 拡散  
 2.5 凝固  
 2.6 鉄―炭素系平衡状態図  
 2.7 鉄鋼材料の組織とその特徴  
  (1) 加熱・冷却に伴う組織の変化  
 2.8 等温変態曲線(T.T.T曲線またはS曲線)  
 2.9 連続冷却変態曲線(C.C.T曲線)  
3章 熱処理を知る
 3.1 熱処理とは  
  (1) 赤め方(加熱方法)  
  (2) 赤める速度(加熱速度)  
  (3) 加熱時間  
  (4) 冷却方法(冷やす温度範囲)  
  (5) 冷却方法(冷やし方の3つのタイプ)  
 3.2 一般的な熱処理  
  (1) 焼なまし(A)  
  (2) 焼ならし(N)  
  (3) 焼入れ(Q)  
 3.3 焼戻し  
  (1) 低温焼戻し  
  (2) 高温焼戻し  
 3.4 サブゼロ処理(深冷処理)  
 3.5 表面改質熱処理  
  (1) 表面硬化の種類  
  (2) 物理的硬化法  
  (3) 化学的硬化法  
  (4) 金属浸透処理  
  (5) 被覆処理を利用した表面改質  
  (6) 水蒸気処理(ホモ処理)  
4章 金属組織と疲労強度:鉄鋼材料
 4.1 疲労強度に及ぼす諸因子  
  (1) 応力条件  
  (2) 切欠き  
  (3) 平均応力と残留応力  
  (4) 繰返し速度  
  (5) 組織,結晶粒度  
  (6) 寸法効果  
  (7) 方向性  
  (8) 内部欠陥  
  (9) 雰囲気  
  (10) 表面処理  
 4.2 事故品のチェックポイント  
  (1) 破面の状況  
  (2) 破断面近傍の表面状況  
  (3) 部材の設計形状  
  (4) 加工方法  
  (5) 材 質  
  (6) 応 力  
  (7) 組立ての良否  
  (8) 使用状況  
  (9) 使用環境  
 4.3 炭素鋼の引張り強さと疲労強度  
 4.4 フェライト組織と疲労強度  
 4.5 フェライト・パーライト組織と疲労強度  
 4.6 パーライト組織と疲労強度  
 4.7 マルテンサイト組織と疲労強度  
 4.8 ベイナイト組織と疲労強度  
 4.9 トルースタイト組織(微細パーライト)と疲労強度  
 4.10 ソルバイト組織と疲労強度  
 4.11 オーステナイト組織と疲労強度  
 4.12 繊維状組織と疲労強度  
 4.13 残留オーステナイトと疲労強度  
 4.14 調質組織と疲労強度  
 4.15 結晶粒度と疲労強度  
 4.16 脱炭組織と疲労強度  
 4.17 2.3相混合組織と疲労強度  
 4.18 微視組織と疲労限度比(σD/σB)の関係  
5章 表面硬化処理組織と疲労特性
 5.1 表面硬化材のき裂発生機構  
 5.2 高周波焼入れ,炎焼入れ組織と疲労特性  
 5.3 浸炭焼入れ組織(浸炭窒化も含む)と疲労特性  
  (1) 真空浸炭  
  (2) 炭化物分散浸炭  
 5.4 窒化処理組織と疲労強度  
  (1) プラズマ窒化処理  
  (2) 塩浴軟窒化処理  
  (3) ガス軟窒化処理  
  (4) 浸硫窒化処理  
 5.5 拡散浸透処理組織と疲労強度  
  (1) ボロナイジング処理(ホウ化処理)  
  (2) カロライジング処理  
  (3) 炭化物被覆処理  
 5.6 PVD,CVD組織と疲労強度  
  (1) PVD  
6章 複合表面硬化組織と疲労強度
 6.1 窒化と高周波焼入れとの複合  
 6.2 ガス軟窒化とレーザ焼入れとの複合  
 6.3 プラズマ窒化とPVDの複合  
7章 溶接部材の疲労強度
 7.1 溶接構造物の疲労強度に及ぼす因子  
8章 金属組織と疲労強度:非鉄金属材料
 8.1 アルミニウム合金の疲労強度  
 8.2 銅合金の疲労強度  
9章 破壊防止対策と長寿命化技術
 9.1 金属学的因子  
 9.2 材料力学的因子  
 9.3 表面状態に起因する因子  
 9.4 使用条件に関する因子  
 9.5 改良例  

内容説明

鉄鋼材料(若干非鉄も含む)の一般的な知識、熱処理技術、表面改質処理、金属顕微鏡的微視組織の相違と疲労強度(疲労限、疲労限度比など)の関係、また、破壊防止対策、長寿命化などについて概略解説する。

目次

1章 鉄鋼材料の誕生
2章 熱処理を知る前に
3章 熱処理を知る
4章 金属組織と疲労強度:鉄鋼材料
5章 表面硬化処理組織と疲労特性
6章 複合表面硬化組織と疲労強度
7章 溶接部材の疲労強度
8章 金属組織と疲労強度:非鉄金属材料
9章 破壊防止対策と長寿命化技術

著者等紹介

藤木栄[フジキサカエ]
1939年群馬県生まれ。1958年前橋工業高等専門学校金属工学科卒業。1960年東京都立工業奨励館材料部。1970年東京都立工業技術センター主任研究員。1996年東京都立産業技術研究所主任研究員。2000年東京都城南地域中小企業振興センター。現在に至る。東京都技術アドバイザー、埼玉県技術アドバイザー、NEDO省エネルギーアドバイザー
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