出版社内容情報
昔は間引きは常習だったというが、ほんとうだろうか。民族学の手法で往時の人びとの心意に分け入ってその俗説を正していく。そして、かつて子どもは地域全体で育てられた(郷党教育)ことの重要性を指摘する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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(1983,385)書庫にて。口減らしのために農村では子供を堕胎したというのは、「都市伝説だ」と力の入った意見。死亡率や、飢饉で死んでるのは成人男性→子供→成人女性の順で子供に栄養をとらせたのではという推理(疫病の時は子供から死ぬ)になるほどと思う。5歳までの死亡率が4割超だったり、東北でも弘前など都市部の死亡率の高さなどには驚く。民俗学では、子供は7歳までは神のうちとしているが、確かにそれとの矛盾を私も感じず、思考停止で間引きや堕胎を妄信していた。しかし、昔は、強い子供しか生き残らなかったのだなあ。2022/07/14