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内容説明
釈迦の死は、死であって死ではない。死によって、釈迦は、永遠の存在=ブッダとなった。その神秘の死の情景(涅槃)は、どのように表わされてきたか。仏身のみ巨大であることの意味を問い、その黄金の輝きの謎を解くために、遠く、中央アジアにまで、ルーツを探る。様式史的観点からのみならず、図像解釈や、宗教美術と社会との関係という視点から、平安時代の仏画制作の具体相にも照らしつつ、傑作成立の秘密を解き明かす。
目次
はじめに 涅槃とは
1 高野山の仏涅槃図
2 「物語」としての涅槃
3 ブッダの身体
4 ブッダの輝き
5 悲しき涅槃
6 涅槃図の時と場―年紀銘と儀礼
7 作風における「洗練」
8 仏画と社会―カテゴリーと価値観
おわりに 「遅れて来た者」