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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
19
イギリス都市生活史研の発起人二人による著書。政治・経済を中心とした研究のあり方をみなおし、日常生活を扱うというこの研究会の5年間の成果が反映されている。基本的な視覚は「特定のものやサービスがいかに生産されたかではなく、何故需要され、いかに用いられたかを明らかにすること」「工業化に伴う都市化がイギリス人の生活をどのように変えたかを検討すること」である。つまり、「農村」「生産」を中心とした従来の生活史を「都市」「消費」の視点から描き直している。2020/09/24
印度 洋一郎
5
都市生活者目線からの大英帝国史。食事、病気、保険、使用人、レジャー、そしてパブと切り口が様々で面白い。イギリスの中流以上の家庭には、何故使用人がいるのか? それがステイタスだから。それ故に、中流の下層でも何とか通いの使用人を雇おうと苦心したとか。そう思うと、映画や小説に出て来るメイドも又違った見方が出来る。それから、やっぱり面白いのはパブ。只の英国居酒屋では無く、庶民の集会場であり、身近な娯楽の殿堂(ダンスホールやステージを併設している店も!)であり、リビングすらない人々にとっては、唯一の憩いの場だった。2012/11/21
しいかあ
3
主に産業革命以降のイギリス人の生活を分野別に解説したもの。社会学的な本ではあるのだけれど、日常の細々とした物事を扱っているために、ジェーン・オースティンとかのこの時期のイギリス文学の便覧としてもとても有用。イギリス全体が豊かになっていくにつれて、福祉が充実し、あらゆる社会階層の生活が改善していく様子がよく分かるのだけれど、同時にそれは植民地からの収奪を伴う豊かさなんだよなとか思ったりもした。2020/03/11
miffy.x.
3
表紙の絵が教科書で見た事があるので詳細が知れて満足。 産業革命の華々しい功績よりも市民の劣悪な暮らしの方に興味があったのでこの本に出会えて感激。事細かに書かれていて素晴らしい本でした。2018/01/01
カツ丼
1
市民の生活に焦点当てた本って今まで読んだことが無かったからか、とても新鮮に感じた。マクロとミクロで言うとミクロの視点。読み終えてようやくタイトルの「路地裏の大英帝国」の意味が腑に落ちた。