出版社内容情報
18世紀末から19世紀初頭にかけて展開された,哲学史上比類のない意義をもつ思索と論争のドキュメント。ドイツ観念論の,壮大かつ深遠な思想の構築現場を示す。
内容説明
〈主観性〉の理解および〈絶対的なもの〉の認識可能性を主題として問い、18世紀末から19世紀初頭にかけて展開された。哲学史上比類のない意義をもった思索と論争のドキュメント。ドイツ観念論の,壮大かつ深遠な思想の構築現場が示される。ワルター・シュルツによる詳細な解説を付す。
目次
フィヒテとシェリングの往復書簡―まえがき
フィヒテとシェリングの哲学的展開の概要
フィヒテ‐シェリング往復書簡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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哲学史上もっとも乗り越えられてしまった感のあるフィヒテと乗り越えちゃった感を意地悪に醸し出すシェリングの往復書簡集。(このころヘーゲルはまだ『精神現象学』を書いていない。)しかしこの書簡集を熟読すると、乗り越えちゃったなんてとんでもないとおもわざるをえない。哲学がみずからに限界を課すそのたびごとに、彼らがとことんまで突き詰めて考えた問題がまたぶり返す。今日の限界を画す身ぶりはハイデガーとウィトゲンシュタインの名に代表されるものだが、それらが決定的なものであったという印象は長い時間をかけて崩れてきている。2018/02/28