出版社内容情報
今日から、なつ休み。わたしは、畑の中の道をいちもくさんに走る。そして、かくれ家の納屋へ - - -。北海道の自然を舞台にした絵本。
内容説明
きょうから、なつ休み―。わたしは、家につづく畑の道をいちもくさんに走る。そして、ひとり、りんごをもって、かくれ家の納屋にまっしぐら…。北海道の野菜農家を舞台に、少女の繊細な感性と自然を描いた絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
127
小泉るみ子さんの四季シリーズをすべてっ読もうと思って図書館で探してきました。この巻は夏で、北海道の夏休みの様子が大自然をバックに描かれています。いかにも夏の様子が素朴な筆遣いときれいな色合いで印象的です。私もやはり子供の頃は夏休みに北海道の祖父母のところに1カ月くらい行っていたので思い出しました。2016/10/14
Kawai Hideki
78
北海道出身の作者による、夏の畑と納屋の記憶。ひんやりとして静かな納屋と、そこに並ぶ肥料や薬品、古い農機具、屋根裏の秘密基地感が良い。宝探しのように、いろいろなものが出てくる中、壁際に巨大なおばけノコギリを発見。おばあちゃんにその話をしたら、「ほう、まだ あれが あったか」の後、さらりと一言。「あれはな、じいさまと ふたりで 原生林を ひらいていったときの のこじゃ。」すごい。フロンティアだよ。おばあちゃん。2016/06/09
はつばあば
51
綺麗な色使いに今回も感嘆。子供は夏休みでも親たちはトマトの収穫に忙しそう。縁側に座るおばあちゃんと小屋を探検する子供。ふと母の田舎を思い出した。昼寝の後、祖父にミミズを獲ってもらい竹竿をもって川へ。そのうちバイクに乗る事を覚えて祖父をハラハラさせてしまった。遠い昔の田舎の思い出・・2016/10/19
tokotoko
46
小泉さんの故郷、北海道の絵本がどんどん好きになります。この本の絵は、絵本の領域を越えて、鑑賞のための“絵画”・・・の世界へと足を踏み入れているような気がします。「わたし」が紹介してくれるのは、彼女の家、お気に入りの納屋、家族の時間。ふとしたことで思いを馳せることになった原生林時代のこの場所。。そして今です。北の大地で繊細にたくましく生きる北海道のような女の子と、ちょっぴり夏休み初日を過ごしてみませんか?2015/12/10
ぶんこ
37
小泉さんの作品は初めてです。少し暗い色彩が北海道の開拓民だった祖父母のご苦労が偲ばれるように感じました。田舎を持たない私には、こういった自然との思い出がほとんどありません。それだけに納屋への気持ちは想像するしかなく、そんな想像にこの絵が手助けしてくれます。馬がいるんだ。いいなぁ。干し草の上でお昼寝、隣に猫。おじいちゃんおばあちゃん世代の凄さをお孫さんが感じてくれたのがいいですね。2019/07/24