内容説明
本書は『科学革命の構造』前後(1959‐76)に書かれたクーンの論文集である。「パラダイム」概念のひとり歩きとは別に、科学と歴史、科学史・科学哲学・科学社会学などを論じながら、クーンはつねに歴史と集団との関係でみずからとその学問の意味をラディカルにとらえ返している。今後の科学史研究への方途をしめすとともに、現在の学問状況への真摯な批判の書であろう。
目次
第1部 クーン科学史論集(科学史と科学哲学の関係;科学の発達における原因の諸概念;物理科学の発達における数学的伝統と実験的伝統;同時発見の一例としてのエネルギー保存;科学史;科学史と歴史の関係)