内容説明
本書では、平安時代に都と庶民との橋渡しをする組織であった京職を通して、平安京という空間に生きる人々の生活の基本を探ってみる。
目次
1 平安京の建設(都遷り;秦川勝の邸宅;東西市の設置 ほか)
2 京職という役所(京都の組織と職務;京貫という業務;防令と保長 ほか)
宮都の改変(道橋の管理と修復;宮都の清掃;貴族の邸宅と生活廃水 ほか)
著者等紹介
中村修也[ナカムラシュウヤ]
1959年生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業。筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程中退。専攻、古代商業史・茶道史・観光文化史。現在、文教大学教育学部助教授
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感想・レビュー
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バジンガ
3
源氏物語を読み、平安京の庶民生活への理解が深まりました。庶民と貴族の間にある、雅やかな世界と猥雑な生活のギャップが描かれており、この二つの階層間の関係性にもっと焦点を当てていればさらに興味深い内容になっていたでしょう。 平安時代の社会構造を色濃く反映したこの作品は、当時の生活を鮮やかに伝える貴重な資料です。2024/02/12
タムーチョ
2
中々に興味深い。 平安時代の行政官や庶民にフォーカスした内容でした。 まさか行政官が掃除当番をしっかり考えて政務として実行していたとは。 何だか親近感が湧きます。 紀今守(きのいまもり)という人物、工夫してますね。 駄目だった時の対処法まで考えているとは。 この時代は源氏物語や清少納言、紫式部といった煌びやかなイメージがありますが、庶民の皆さんは汚物や汚水に悩まされることが多かったそうです。 この時代をもう少し詳しく知りたいと思いました。2020/05/26
ELW
2
平氏政権のころは、大内裏を通り抜けることが可能だったことが説話から推測できるのに驚いた。内野通ねぇ。京職はたいへんだ。『日本の歴史 5 王朝の貴族』を読んでおいてよかった。2018/08/10
brink
2
貴族たちと庶民との間に挟まる京職などという職、初めて知りました。しかもなんという大変さ…。上からも下からもつつかれる中間管理職っぷり。平安京自体も牛馬放し飼い、大通りにまで田畑が作られてたって、今まで抱いてたイメージが崩れていく…。興味深く読めました。2009/05/28
サク
1
平安京でたくましく生きる人々大勢いるので、京職の人の仕事が大変そうだと思った。2021/04/04