内容説明
古代、日本列島の北縁には蝦夷(エミシ)とよばれた人びとが住んでいました。かれらは国家から未開で野蛮な“化外の民”というレッテルを貼られ、差別と同化の対象とされていました。でもかれらは倭人文化と北方文化の接点に居住し、両方の社会と交流しながら独自の社会・文化をはぐくんでいきました。いまこそ、倭人とは異なった文化的伝統をもっていたかれらを積極的に評価すべきではないでしょうか。
目次
古代蝦夷(エミシ)の世界へ
1 蝦夷とは何か(蝦夷アイヌ説と非アイヌ説;蝦夷観念の成立 ほか)
2 蝦夷文化の形成(北方の文化と倭人の文化の接触・交流;蝦夷文化の成立 ほか)
3 古代国家の蝦夷支配(倭王権の蝦夷支配;大化改新と「柵」の設置 ほか)
蝦夷・城柵研究のこれから
著者等紹介
熊谷公男[クマガイキミオ]
1949年生まれ。東北大学大学院文学研究科(国史学専攻)博士課程単位取得退学。専攻、日本古代史。現在、東北学院大学文学部教授
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