内容説明
中世に国家はあったのか。そもそも国家とはどのように「ある」ものだろうか。表紙カバーの衛星写真に見るように、国家も国境も、目に見えてそこに「ある」ものではない。しかし、そこに生きた人々の視点から見たとき、私たちは、扉の絵図のような違った像を見ることにもなる。そこに国家を見いだすのは私たちの視線であり、そこに国家を成り立たせるのは国家に関わる人々の意識である。では中世に国家はあったか。仮にあったとして、それはどのように「あった」のだろうか。そしてそのことは、現代に生きる私たちに、どう関わるのだろうか。
目次
1 日本の「中世」とは何か
2 中世国家論の諸相
3 「国土」と「国境」の構造
4 「伝統」の(再)創出
「国家」とは何か
著者等紹介
新田一郎[ニッタイチロウ]
1960年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専攻、日本法制史・中世史。現在、東京大学大学院法学政治学研究科助教授
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