内容説明
沖縄県はその昔、琉球と称し、日本とは別の独立した国家でした。江戸時代、薩摩の侵入を被り、日本の支配下に置かれましたが、中国との通交が認められ、琉球処分に至るまで王国として存続しました。当時、日本は中国と国交がありませんでした。そのため、日本と中国の挟間にあった琉球が、両国に使者を派遣し、あいだをつないでいました。琉球が王国として存在しえたのはなぜか、その理由を明らかにします。
目次
薩摩侵入
1 幕藩体制下の琉球
2 明清交替と琉球
3 薩琉中貿易
4 江戸・北京への琉球使節
5 トカラとの通交
琉球処分
著者等紹介
紙屋敦之[カミヤノブユキ]
1946年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得。専攻、日本近世史。現在、早稲田大学文学部教授。文学博士
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感想・レビュー
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OKKO (o▽n)v 終活中
6
大航海時代のマカオを研究するにあたり琉球史を抑えておかないとこらあかんと短期集中スタディ ◆この本の前に百科事典で琉球史覗き見。いや驚きの連続。先日挫折したある本で「現代の沖縄の問題は、学校教育で琉球史を十分に教えていないこと」と知ってから、それはダメじゃんと関係ない私に火がついた。そんなこんなの結果、やっぱ日本史だ中国史だとあやふやな「国家単位」の枠組みでモノ考えるってのは生産性ないなと中間的に結論す ◆ああやっぱアジアは面白いなぁ♪♪ ◆本書はそうした背景を踏まえて幕府-島津と琉球の関係を論じたもの2018/03/27
らっそ
4
秀吉の朝鮮出征時に、女真族の情報収集をしていたこと。蝦夷地と中国東北部が隣接していると認識されていたこと、それらが時を経て琉球王朝・徳川幕府に影響すること、当時から国際関係は複雑2016/02/07
らっそ
1
沖縄旅行の予習。学習院大学で受講した歴史セミナーと重なる部分があり、知識が積み重なっていくのを実感できて、読んでいて気持ちよかった。江戸幕府が清国の動向に非常に大きな関心を抱いていたのも知らなかったけど、当然といえば当然だよなー、と思えた。琉球王朝も、薩摩藩に一方的に支配されていたのではなく、結構したたかに立ち居ふるまっているように感じた。2012/10/07
samandabadra
0
途中読んでいて、あれ、日本と中国の貿易と言いながらタイとかカンボジアの話が出てくるとか不安に思った箇所もあったが、江戸時代の中国と日本を琉球などを軸に見るとこんな風になるのかが分かった。個人的には、なぜ、長崎にはベトナム語(東京通事)やタイ語(暹羅通事)やムスリムや呂宋(ルソンの言葉)通事がいたのかの理由が分かった野がとても勉強になった(46,47頁)。とまれ、どれぐらいのレベルだったのかはもっと詳しく知りたいところ。後今調べたら著者は鹿児島出身だった。そりゃ微に入り細に入り調べるわけだ 2017/02/18