内容説明
将軍義輝および主家細川氏を実力を以って抑え、巧みにこれを操りつつ畿内を制圧して天下の権を専らにしたが、晩年家臣松永久秀に実権を奪われて顛落す。まさに戦国末期の象徴的武将ながら、その身には教養を備え、風流を解し連歌をよくし、また禅に傾倒しキリシタンを保護する等、多彩な面をもつ生涯を激動の時勢と共にリアルに描いた伝記。
目次
第1 三好長慶の出自
第2 父三好元長(長慶の幼年期)
第4 孫次郎範長と称した時期
第5 筑前守長慶
第6 長慶の全盛
第7章 衰運
第8 長慶の教養
第9 暁星消ゆ
三好氏略系図
足利氏略系図
細川氏略系図
略年譜
三好長慶関係地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hoiminsakura
2
三好長慶のことは断片的な知識しか無かった。この本には父祖のこと、幼少時、細川氏との複雑な関係、将軍義輝との戦いと和解等、史料と共に細かく記述されている。松永久秀を重用し、長慶はその最盛期を迎える。兄弟の義賢、安宅冬康、十河一存等一族の結束の元、五畿内、丹波、播磨、阿波、伊予、淡路、讃岐へと勢力を伸ばす。絶頂期に、異例のこととして将軍義輝を自邸に迎える場面では、服装や位置関係、進行など華やかで誇らしい儀式の様子が目に浮かび感動した。兄弟や嫡子を次々と失い、幼い義継を残して死ぬ無念さはいかばかりだったろう。2021/06/11
MNK2
1
三好氏を知るならば。
代理
1
鈴虫を贈る冬康の逸話が泣ける。三好長慶好きならぜひ読むべき。2012/10/21