出版社内容情報
《内容》 本書は、実地臨床家を対象とし、老年期痴呆の疫学、検査、診断、治療、予防とすべてにわたり実地臨床に則して記述してある。脳血管性痴呆の成立について浴風会病院における研究成績を中心に、著者の考えを述べている。病理学的所見についても、脳萎縮、脳室拡大など、二つ型の痴呆における相違、CTへ反映された場合の所見など著者らの成績を中心に鑑別診断上の有用性の有無を述べてある。痴呆の検査について、CT所見と脳との対比、脳波の経時的観察などの報告は少なく、著者らの成績を述べてある。 《目次》 1章 痴呆Dementiaとは何か2章 老年期痴呆Senile Dementia3章 老年期痴呆の種類と比率4章 老年期痴呆の疫学5章 脳血管性痴呆の成り立ちと病態5.1脳血管性痴呆 Vascular Dementia の成り立ち/5.2脳血管性痴呆の病態6章 アルツハイマー型老年期痴呆の原因説6.1遺伝的因子/6.2染色体異常/6.3アルミニウム蓄積説/6.4その他7章 老年期痴呆の病理(アルツハイマー型老年痴呆を中心に)8章 老年期痴呆の脳循環と脳代謝9章 老年期痴呆の臨床症候9.1老年期痴呆の中核的症状/2.老年期痴呆の周辺症候/9.3脳卒中後遺症の精神症候10章 老年期痴呆の検査10.1老年期痴呆のCT/10.2脳血管性痴呆とアルツハイマー型/10.3老年期痴呆の脳波/10.4脳血管性痴呆とアルツハイマー型/5.脳血管撮影/10.6脳槽撮影Cisternography/10.7Magnetic Resonance Imaging11章 老年期痴呆の診断11.1DSM-3-Rの診断基準/11.2NINCDS-ADRDAによる診断基準/11.3文部省研究班の診断基準/11.4痴呆診断の実際/11.5テストによる痴呆の診断/11.6痴呆の重傷度の判定/11.7痴呆の重傷度分類のまとめ12章 アルツハイマー型老年期痴呆と脳血管性痴呆との鑑別12.1臨床症候による鑑別/12.2点数法による方法その他13章 老年期痴呆の鑑別診断13.1痴呆の原因疾患/13.2痴呆をきたす疾患/13.3鑑別を要する主な疾患および病的状態14章 老年期痴呆への対応14.1老年期痴呆のケア/14.2環境の調節/14.3薬物療法15章 老年期痴呆の経過,予後15.1屈曲性対麻痺16章 老年期痴呆の予防16.1脳血管性痴呆の予防/16.2アルツハイマー型老年痴呆の予防/16.3脳循環代謝改善による予防の試み