感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
6
「どこから世界を覗こうと/見るとはかすかに愛することであり/病患とは美しい肉体のより肉体的な劇であり/絶望とは生活のしっぽであってあたまではない」(「氷った焔」) 事物への抑えた愛を感じさせる筆致で、ささやかなものへの接し方に自然と品が宿る。それは戦争で故郷や友人を喪った後も生き長らえることの羞じらいと裏表なのかもしれない。過ぎ去ったもの、過ぎ去ろうとするものを慈しむ、甘美な詩。2014/05/01
王天上
2
「めくるめく空白」のたたみかけがすごい。2015/01/31
ふう
2
密室、証人、仮死状態、自殺、復讐、記憶喪失者なんていう直接的な単語でなくてもなぜかそこはかとなくミステリーの気配がする作品が多かった気がする。そんな私のお気に入りが「不気味な円環」、「月明」、「ビルの十階で」なんてのは必然か?2015/01/07
刻青
1
なによりも「氷った焔」が素晴らしい。絶望からはじまるのにこの爽やかさ!真っ直ぐな言葉がここまで詩に転化するのは気持ちが良い。何度読んでもカッコいいし、あまりの無駄のなさにたまらなくなる。切なさすら。 これ以降の詩は‥ あまりに具体的過ぎて、詩から遠ざかっているように思う。ときどき美しいフレーズが現れはするが、詩はあくまで言葉であり、風景を見せることはできない。どこまで自分を透明にできるか。「氷った焔」に賭けられたものをもっと見たかった。 「どこから世界を覗こうと 見るとはかすかに愛することであり」真実だ。2021/12/08
AiN
1
登録情報 単行本: 149ページ 出版社: 思潮社 (1968/02) 言語: 日本語 ISBN-10: 4783707049 ISBN-13: 978-4783707042 発売日: 1968/02 商品パッケージの寸法: 18.8 x 12.6 x 1.2 cm2017/03/22