出版社内容情報
第13回角川源義賞受賞図書
内容紹介
中世東寺における弘法大師信仰の実態を、大師の御影供、
仏舎利信仰、東寺の大湯屋、東寺の造営事業、大師宝前仏
事などを通して明らかにしていく。東寺観智院金剛蔵聖
教、東宝記、検非違使庁関係文書など膨大な関係史料を駆
使しての広博な視野のもとに精細・緻密を極めた研究を世
に問うてきた著者ならではの、中世宗教文化史研究上画期
的な労作。
思文閣史学叢書
内容説明
本書は、中世東寺における弘法大師空海への信仰に主題を置き、真言密教の中世的展開について、就中、その文化史的な考察を、今日まで東寺に伝来した「東宝記」・「東寺長者補任」や観智院金剛蔵の聖教類と「東寺文書」、および「東寺百合文書」(京都府立総合資料館蔵)・「教王護国寺文書」(京都大学蔵)等の古文書群の調査・研究から得た成果にもとずき論述したものである。
目次
第1章 弘法大師御影供と中世東寺(潅頂院御影供と僧綱の勅役;西院御影供と御影堂の興隆)
第2章 大師請来仏舎利の信仰(日本における舎利信仰と東寺仏舎利;東寺仏舎利の勘計と奉請;東寺仏舎利の受容と信仰の展開;東寺における舎利会と舎利講;近世桑名城下の舎利信仰史料)
第3章 大師信仰と東寺の湯(最近まであった東寺大湯屋について;東寺の湯と湯料所;古文書からみた中世東寺の湯の実態―室町時代の寺内湯経営)
第4章 東寺の造営事業と大師信仰(東寺造営大勧進職;古文書からみた室町時代の勧進活動)
第5章 大師宝前における仏事の成立と展開(東寺御影堂における追善の仏事;中世東寺の光明真言講について;中世東寺の散在仏事料所と伝来の文書について)