内容説明
過去は二度と体験できない。いつもあいまいなものだ。このあいまいなことをめぐって人々に活動がおこる―日常生活における「想起」をうながす契機や環境、「想起という行為」のプロセスと機能を、七つのフィールド研究から追求した心理学のフロンティア。
目次
1章 「しない私」と「した私」―断酒的自己を巡るふたつ(あるいはひとつ)の時間について
2章 想起の「自然」についての覚書
3章 地震前兆現象を想起する―阪神淡路大震災の場合
4章 酒場のプロレスファン
5章 供述分析―体験への進入
6章 明治という時代―記憶術の熱狂
7章 身構えの回復