出版社内容情報
文学がまだ若くて元気だった頃、詳説に大々的に懸賞がかけられ、文学が投機の対象とされた。20世紀初頭の、若者が文学にあこがれ、文学が商品と見なされはじめた時代を、戦争報道、文壇の形成、投書雑誌、代作問題などをとおしていきいきと描く。
・「日本の近代文学は、活字文化が産業としてさかんになろうとしていた二十世紀初頭に、ややいかがわしい投機と冒険を通して新しく生まれたジャンルなのだ。」(2003.5/4 朝日新聞 坪内稔典氏)
内容説明
小説に大々的に懸賞がかけられ、文学が投機の対象とされた。20世紀初頭の、若者が文学にあこがれ、文学が商品と見なされはじめた時代を、戦争報道、文壇の形成、投書雑誌、代作問題などをとおしていきいきと描く。
目次
1 文学とメディア空間(懸賞小説の時代;中等教育の再編と「国語」教科の成立;『中学世界』から『文章世界』へ―博文館・投書雑誌における言説編制 ほか)
2 活字の共同体(批評の文体と文壇共同体―徳田(近松)秋江「文壇無駄話」の周辺
漱石、代作を斡旋する―徳田秋声・飯田青凉合作『女の夢』とオリジナリティの神話
「史論」の言説―池辺三山と夏目漱石 ほか)
3 テクストの痕跡(永井荷風『あめりか物語』―大陸との“inter‐course”;森鴎外『サフラン』―「名」と「物」と「力」;徳田秋声『爛』―身体・比喩・レトリック ほか)
著者等紹介
紅野謙介[コウノケンスケ]
1956年、東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門は日本近代文学。現在、日本大学文理学部教授
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