内容説明
巨大な海流が大西洋を北へ向かって流れている。赤道付近で温められたこの海流は、北大西洋に到達すると、その熱を放出して北ヨーロッパの冬を暖かくしてきた。ところが、この海流に異変が生じると、決まって地球の気候は大変動を繰り返した。一体なぜ、どのようにして大変動は起きたのか、またそれは人類を待ち受ける脅威への布石なのだろうか…気候変動のメカニズムを解き明かした活目の書。「ファイ・ベータ・カッパ」科学賞受賞。
目次
第1部 なぜグリーンランドか(類のない十一万年分のデータ;過去を知るための手がかり)
第2部 氷に書かれた記録を読む(氷点下三〇度でのプロジェクトX;氷の古文書館―氷床と氷河 ほか)
第3部 めちゃくちゃな気候(千鳥足でふらつく酔っ払い;太陽システムの揺らぎ ほか)
第4部 不気味な鳴動(鍵を握る北大西洋の海水;海洋コンベヤーが停止すると… ほか)
第5部 「狂乱の時代」がやってくる?(温室効果ガスは激変を招く;「不意打ち」を食らう確率 ほか)
著者等紹介
アレイ,リチャード・B.[アレイ,リチャードB.][Alley,Richard B.]
ペンシルベニア州立大学地球科学学科教授。1980年、オハイオ州立大学卒業。1987年にウィスコンシン大学でPh.D.修得。急激な気候変化や氷山・氷床の崩壊、海面の高さの変化などに焦点を絞って研究している。南極およびグリーンランドで氷芯掘削プロジェクトに従事、権威ある「ファイ・ベータ・カッパ」科学賞をはじめ、教育と研究に関する賞を多数受賞。妻、二人の娘とペンシルベニア在住
山崎淳[ヤマザキジュン]
小説家・翻訳家
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