出版社内容情報
【知の形成と科学史の比較研究】ピアジェ最後で最大の著作!認識論と科学史の再構成をはかる巨人ピアジェの最終的到達点!21世紀の知の組み換えに関わる前人未踏の知の体系!
内容説明
ジャン・ピアジェは20世紀後半の知の広範な領域に、巨大な影響力を行使した思想家だった。ロランド・ガルシアを共著者とする最後の著作で、かれは発達心理学の理論体系と科学史(数学史、物理学史)とを比較することにより、知の形成に関する普遍理論の構築を試みた。認識論と科学史の再構成をはかる、この最終的な壮大な到達点から、人は21世紀の知の組みかえにかかわる、いくつもの有効な提言を読みとるにちがいない。
目次
第1章 アリストテレスからインペトゥスの力学へ
第2章 精神発生とニュートン以前の物理学
第3章 幾何学の歴史的発展
第4章 幾何学的構造の精神発生
第5章 代数学
第6章 代数学以前のシステムの形成
第7章 力学の発展
第8章 物理学的知識の精神発生
第9章 科学、精神発生、イデオロギー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴィクトリー
2
子供の思考の発達と、科学(数学、物理学)の発展とは類似している、と言う考えの本。ではあるのだが、ピアジェの発生的認識論?構成的認識論?について触れるのが初めてであったことと、群・環・体などの高度な数学の話が出てくると理解が追付かず、訳注で簡単な説明はしてくれているものの、半分以上が理解出来てない気がする。とは言え、物事の理解の段階として、「内」「間」「超」の段階を経ると言う考えや、理論の発達の障害物としての擬似必然性と言う考えは興味深かった。2012/09/15
Yoshi
0
ピアジェが自身の発達理論を、科学進化に適用した内容。発達に見られる構造変化と同様の変化を科学進化に見出すことで、同様の構造発達原理によって、人の発達と科学の発達を説明しようとする野心作。