内容説明
本書に収めた賢治論も、透谷論、藤村論も、後のそれぞれの仕事の萌芽、というよりも、すでにその核心をなすものである。本書の特色は、透谷と藤村、朔太郎と暮鳥、さらには重吉と天平という対比の論及にあり、それらは互いを照射して、おのずからに自身の本体をあらわすかともみえる。
目次
1 八木重吉と草野天平(八木重吉―その一側面;草野天平覚書 ほか)
2 宮沢賢治―そのキリスト教観(「銀河鉄道の夜」と挽歌をめぐって;「空明と傷痍」その他をめぐって ほか)
3 透谷と藤村(透谷―「楚囚之詩」をめぐって;透谷―「蓬莱曲」 ほか)
4 朔太郎と暮鳥(朔太郎―「浄罪詩篇」;朔太郎―「宿命」の散文詩篇をめぐって ほか)