熱気球

熱気球

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B4判/ページ数 1冊(頁/高さ 25X26cm
  • 商品コード 9784892386985
  • NDC分類 E
  • Cコード C8798

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

161
何処までも続く、地平線の先にまで広がる砂漠。羊飼いの少年は見上げる。何かが空から降りてきたんだ。熱気球というらしい。乗らないのかい。わからない。ぼくはわからないんだ。ぼくたちのことを遊牧民というらしい。雲ひとつない大きな空に浮かぶと、すべてが小さく見えてしまった。大切な家族や仲間が遠くに消えていってしまう。戻りたい。降ろしてください。一度離れてしまうともう戻れないこともある。新しい世界に足を踏み入れ、不安になればなるほど故郷が恋しくなる。何も不自由のない大切なあの時間、見守られていたあの頃を懐かしく思う。2023/07/16

masa@レビューお休み中

101
不思議、不可思議、摩訶不思議…。ガブリエル・バンサンの文字がない絵本というのは、すべてこの3つの要素が入っているのではないかと思ってしまう。もちろん、絵を見て、絵のつながりを見て理解できる部分もあるのだが、やはりどこか日常とはかけ離れていて、どういうことなんだろうと疑問に残った場面もあったりする。けれども、状況が理解できなくても絵本というものは楽しむことができる。そういう楽しむ自由があるからいいんだよなぁ。砂漠でひとりの少年が熱気球に乗ったり、降りたりする物語です。2016/03/22

greenish 🌿

50
ある日、空から砂漠のまんなかに熱気球が着陸した。降りてきた若者は、羊かいの男の子に出会った。そして… ---薄黄色の砂漠と黄色の熱気球。これまでのバンサン作品には見られないカラーの温もりがあります。読み手に解釈を委ねる作品ですが、少年・青年、それぞれの視点があるような気がします。 変わりばえのない暮らしのなか好奇心に駆られ熱気球に乗ってみたけれど…空から見えた景色は大切な家族と羊たち。埋もれがちな日常も、俯瞰の視点で見てみれば、その価値に気づけるのですね。空を漂う青年は、砂漠の村に導かれ何想うのか…。2016/03/24

キジネコ

39
羊飼いの少年が暮らす地に熱気球が不時着します。空から降りて来るもの。未知の存在か、どうか?は想像に任されます。物語を投影する鏡は其々の読者の中にある、私は気球から降りてきた男を死神ではないか、と考えてみました。少年は羊たちを残して男の誘いにのって気球の乗客となります。空高く舞い上がった気球が何処に向かうのか?小さくなる地上から見上げる羊たち、少年の暮らす村が見えていました。そして少年に兆す感情は… 作家は目に見えない境界線、私達の傍にもある境界線を上手に描きます。2024/03/09

ヒラP@ehon.gohon

19
草原の中に降り立つ熱気球の飛行士の目的は何だったのでしょう。 羊飼いの少年は、羊を置いたままどうして熱気球に乗ってしまったのでしょう。 空から見下ろす土色の世界に神秘的なものを感じながらも、頭の中では疑問が一杯です。 哲学的な問いかけをされているような気がしました。2019/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18744
  • ご注意事項