内容説明
「ぼくはぼくじゃないみたい」体験から、「あたらしいぼく」の誕生にいたる少年の内面の成長を描いた傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
55
【11月24日午後休を利用して念願の国際子ども図書館へ!】10冊目。成長していく少年が自分の心の変化と向き合い受け入れていくお話。私にも中学生の子供が2人いるが、明らかに変わって来ている事も、まるで昔からそうであったかのようにすましている様子が時々可笑しくなる。毎日一緒に過ごす親は良く分かりますよ。好みの色や音楽は明らかに変わったし、随分前から私とは手を繋いでいない。友達もついたり離れたりがあるようで。毎日勉強に部活に、帰宅したらゲームにと忙しそうだけど、新しい自分を見つけ向き合う時間を大切にして欲しい。2022/11/24
chiaki
42
大人の階段を登り始めた少年の心の惑いを、シャーロット・ゾロトウの静謐な筆致で読む。こんな感覚懐かしいな。自分が自分でないような、心の中にもう一人の自分がいて、頭の中にも自分がいて、体中から自分がひしめいてる感じ！小1の長女と読みましたが、「なにこの男の子わけわからーん」と言っていました！いつかみんな、わけわからんお年頃になるんだよ。2021/02/15
ゆうゆうpanda
35
ある日突然『あたらしいぼく』になる。お気に入りの風船の壁紙が急に子供っぽく見えたり、ベッドの上の縫いぐるみを箱にしまいたくなったり。自我が目覚めるってこれくらいの年だっけ？私はどうだったかな。大好きな父に自転車の後ろに乗りなさいと言われた時、急に煩わしくなって一人で行けるからと駆け出した。結局、道に迷って3時間くらい歩き回ったっけ。小学2年の頃だった。あっ！私にもあったわ。『あたらしいわたし』になった日。絵本の少年は要らなくなった縫いぐるみを妹へのお下がりに。大丈夫。『あたらしいぼく』もきっと優しい子だ。2016/03/09
スプーン
27
成長物語。いつの日か皆が通る大人への通過点。2019/08/25
kayak-gohan
19
現在学んでいる大学の人格心理学の教科書で紹介されていて触発されて読んでみた。子どもの頃、それまで面白かった鬼ごっこやメンコ、ビー玉が突然つまらなくなり、それまでの自分や自分を取りまくものに何か違和感を持つようになったという人は少なくないと思う。かく言う自分もその一人。それは児童期後半の自我の芽生えであり、自立した自己の確立に向かっての新たな成長の始まりである。そこで起こっている内面の変化は死と再生とも言えるほどの体験なのだが、それが「あたらしい ぼく」として鮮やかに表現されている。2023/07/31
