出版社内容情報
こぶたくん、妹のアマンダ、お父さん、お母さんのこぶたくん一家のなにげない日々を描いた、あたたかくユーモアたっぷりの5編からなるお話。
第一話『おかしをやく日』では、雨の音を聞き、クッキーの焼けるおいしい香りをかぎながら、こぶたくんがしみじみと言います。「ぼく、いましあわせ。かあさんがそばにいてくれるんだもの。アマンダもいるし、それにぼくさむくもないし、雨にぬれてもいない。あたたかい。やけているクッキーもあたたかい」
その他4編も、子どもをあたたかく包み、大人もほっと力がぬけるようなお話です。
およそ4~5才から
内容説明
こぶたくんの家に、おばあちゃんから「木曜日の夕ごはんまでにうかがいます」という手紙が届いた。今日は木曜日。さっそくこぶたくんとかあさんと妹のアマンダは、歓迎の準備をはじめる。部屋をそうじし、床をみがき、お花を飾り、ごちそうを作り…。こぶたくんも自分の部屋であばあちゃんを迎えるしたくをする…。こぶたくん、妹のアマンダ、おとうさん、おかあさん、そしておばあちゃんの「こぶたくん一家」のなにげない日々を、あたたかくユーモアたっぷりに描いたお話が全部で5編。アーノルド・ローベルがやさしく、表情豊かに絵を描いている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
171
子どもたちと過ごす日常は賑やかで温かく、愉快な会話とともに思い出に変わっていく。美味しい香りを漂わせて、クッキー作りのお手伝いをしたり、おばあちゃんのために花を摘んだりぬいぐるみを集めたり。さあみんなでご馳走をいただきましょう。食べきれないくらいの幸せに囲まれて、椅子に揺られている。「かあさんってものは泣かないものだよ」少しドキリとする言葉を、子どもたちは突然発したりする。今はまだ愛が伝わらないけれど、いつかきっといつかきっと。ぐっすり眠る姿に明かりを消すと今日という日は終わる。明日も一緒だよ。おやすみ。2023/11/13
masa@レビューお休み中
80
こぶたくんは子どもである。こぶたくんは男の子である。こぶたくんにはお父さんとお母さんがいる。そして、こぶたくんには小さな妹もいる。こぶたくんは、特別賢いわけではない。特別いじわるなわけでもない。どちらかというと、どこにでもいる普通の男の子なのである。だから、お母さんに甘えることもあるし、妹にいじわるをしてしまうこともあるし、おばあちゃんのために頑張ることもある。普通の男の子の物語だから、誰にでも思い当たるシーンがある。懐かしい思いにも駆られることもあるのです。2014/02/02
kiisuke
23
アーノルドローベルの挿絵のこの小さめ絵本シリーズが子どもたちも私も大好き!いつも読みながらクスクス笑ってしまいます。こちらは「おかしをやく日」「いもうと」「おばあちゃん」「ポテトちゃん」「これはだれだろ」の五つのお話が入っています。温かくって可愛らしい雰囲気もすごく素敵ですが、こぶたくんを通じて繊細な子どもの心の動きも感じられ、我が家の娘たちもとても共感できるようです。大好きな食べ物の描写もたくさんで美味しそう!^ - ^こぶたくんシリーズはもう一冊「しりたがりやのこぶたくん」もあります♪2014/10/17
ほんわか・かめ
22
こぶたくん一家の何気ない日常の短編集。優しさが溢れています。◆《いもうと》遊びを邪魔されて邪険にしてしまった兄妹に、夕食時になって「きみたちはどうも日が悪かったみたいだな」と言うお父さん。時間をおく、断罪しないって大切だなぁ。だって夕食時には丸くおさまったもの。ゆとりを持って子どもと接したいなぁと読みながらつくづく思いました。2021/03/28
Lesen
17
こぶたくん一家の日常が描かれてます。緩やかな日常の中の家族愛であり、本の少しの事がとても幸せに感じられる様な絵本。この家族のやり取りがなんか良いのです。かくれんぼも、見つけたから終わりではなくそのやり取りが楽しいし、クッキーも匂いまでしてきそうでした。2013/08/04