出版社内容情報
摩擦がなければ立つことも歩くこともできないばかりか,食べ物さえ喉を通らない.人のみならずすべての生命にとっておそらく不可欠な物理現象だ.しかし,いまだにそのほんとうのメカニズムは謎のままだ.20世紀後半になって,原子・分子スケールの摩擦がようやく実験で捉えられるようになり理解が進む.その一端を紹介する.
内容説明
摩擦がなければ立つことも歩くこともできないばかりか、食べ物さえ喉を通らない。摩擦は、生命にも文明にも不可欠な物理現象なのに、いまだそのメカニズムは謎のままだ。基礎から最新の原子・分子スケールの摩擦研究までを紹介する。
目次
1 序論(摩擦とは;摩擦の法則―アモントン‐クーロンの法則;アモントン‐クーロンの法則の適用範囲;摩擦の制御―潤滑;近年の発展―原子・分子スケールの摩擦・トライポロジー)
2 アモントン‐クーロンの法則の成立機構(真実接触面積;速度に依存しない動摩擦力―真実接触点のスティック・スリップ運動)
3 変化する摩擦係数(摩擦の速度・待機時間依存性;摩擦の構成則;アスペリティのクリープ運動;真実接触面積の待機時間依存性;地震と動摩擦力の速度依存性)
4 原子・分子スケールからの摩擦(摩擦力顕微鏡と摩擦の制御;真実接触点の形成、変形、破壊を見る;表面力測定装置と水晶マイクロバランス法;摩擦力の角度依存性―超潤滑;原子スケールの摩擦のモデル)
5 最近の発展と問題―再びアモントン‐クーロンの法則(ミクロなスリップとマクロな滑り;新しいアモントン‐クーロンの法則の機構)
著者等紹介
松川宏[マツカワヒロシ]
1958年生まれ。1982年東京理科大学理学部物理学科卒。1987年北海道大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、青山学院大学理工学部物理・数理学科教授。理学博士。専門は、物性物理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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