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女が国家を裏切るとき―女学生、一葉、吉屋信子

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000224116
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

近代日本の女性は、国家といかに共謀し、そして、背反したのか。明治期の女子教育をめぐる小説や言説、一葉の和歌と小説、吉屋信子の“女の友情”もの、そして、『国体の本義』を精読し、文学的感傷の力が、国家的暴力の隠蔽と女性の国民化にいかに作用したかを明らかにするとともに、それらの女性表現に隠された、国家との争闘の痕跡をたんねんに読み解く。近代日本の女性文学を新しい角度から照射する、気鋭の研究者による意欲作。

目次

文学的感傷と暴力―高橋しん『最終兵器彼女』を読む
1 国民化する/される女たち―明治期女子教育の軌跡(学問か器量か―彼女たちの受難;「教育勅語」と女学生―東京女子高等師範学校を事例として;国家のための女たち―娼妓たちの日清戦争)
2 女が“和歌”を詠むとき―樋口一葉と日清戦争(“女性作家”と“国民”の交差するところ―一葉日記を読む;日清戦争を詠むこと;凱旋する文明国―一葉・鏡花が見たもの)
3 女の友情、そのゆくえ―吉屋信子と大東亜戦争(少女たちの絆―『花物語』『女の友情』を読む;“女の友情”のゆくえ―『女の教室』における皇民化教育;帝国の“非国民”たち)
文学的感傷にあらがうために―『国体の本義』を読む

著者等紹介

菅聡子[カンサトコ]
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授。1962年、福岡県生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科修了。博士(人文科学)、専門は、日本近現代文学。とくに女性文学研究を中心とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

8
一葉研究の菅聡子(1962 - 2011)は福岡市生まれ、生まれ[2]。修猷館高校からお茶の水の教育学部人文科学科に進み、同大学で博士&教授に。父の娘っぽさがある。教え子だったひとのブログによると、研究室に〈木村拓哉や堂本剛のポスター〉がたくさんあったそうな。〈もしまだご健在であれば、今頃はプ女子になられたかも〉(棚橋あたり)とも▲本書の序章は『最終兵器彼女』を扱った小文で、元は2008年に書かれたもの。06年に実写映画が公開。でも、07年のエヴァ新劇場版のイメージかな…。2018/11/12

kozawa

3
「最終兵器少女」で「消費される少女」からエヴァを引き合いに出しつつ話は始まって…(今だったらまどかも引き合いに出されたか?)とはいっても本論は明治から大戦にかけて「女性」がどう扱われたか。掘り下げと本書全体のテーマの一貫性にいまいち差を感じはするが、一つの試みとしてはなかなか面白い。これがさてどう冒頭の現代作品に結びつくのかはてさてというところだが、この著者は女性もの文学についての著書も既にあり、現代における「少女性」のエンタテイメントにおける消費という観点を掘り下げるのにチェックしておきたい論者ではある2011/04/06

ebi_m

2
「最終兵器彼女」も吉屋信子もまだ読んでないけれど、急な訃報を聞いてあわてて読んだ。もっと色々なことを伺ってみたかったし、伺えると思っていた。ただただ惜しい。2011/06/18

メルセ・ひすい

2
14-73★5必読書まず!高橋しん『最終兵器彼女』…そして 巻頭はカミュ『ペスト』☆誰しもが自分のなかにペストを飼っている。この世界の誰一人ペストに罹っていない者はいない。だから、チョットシタ気のゆるみで、うっかりと他人の顔の前で息を吐いたり、病気をうつしたりしないように、間断なく自分を監視していなければならないのだ。自然なもの、それが病原菌だ。近代日本の女性は、国家といかに共謀し、背反したか。明治期女子教育を巡る言説、一葉の和歌、吉屋“女の友情”もの、「国体の本義」を精読、国家暴力の隠蔽と女性とは2011/03/23

わたなべ

1
勉強はしないとな2015/06/02

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