出版社内容情報
冷戦は資本主義と社会主義との平和競争──生活水準向上の取組や民主主義の模索、米ソの交流を描き、ステレオタイプの米ソ観を見直す。
内容説明
冷戦は軍事的な対立であると同時に、資本主義と社会主義との平和競争でもあった。第3巻ではこの側面に注目し、ソ連における国民の生活水準向上の取り組みやソ連型民主主義の模索、アメリカ合衆国との交流などを描く。また、この競争でのソ連の敗北がペレストロイカと冷戦終結、さらにソ連解体につながる点についても多角的に検討する。ステレオタイプの冷戦像、米ソ観を書き替える意欲的な試み。
目次
総説 冷戦と平和共存・平和競争
1 経済発展と近代化の光と影(農村の近代化と生活水準の向上;経済開発と公害・環境問題;ペレストロイカの下での経済改革―その成果と限界)
2 社会主義・民主主義・自由(利益の同質性の中の齟齬―スターリン後のソヴィエト民主主義理念;統制下の「自由」―スターリン後のソ連における社会生活の一面;ペレストロイカと共産党体制の終焉;ポスト冷戦時代のリベラル・デモクラシー―ソ連解体後のロシアにおける民主化とその帰結)
3 東西冷戦とその帰結(東西冷戦下の経済関係―ソ連・コメコンと西欧;アメリカ合衆国にとっての冷戦―軍事的対抗と国際交流;ポスト・ソ連空間と周辺世界―冷戦終結から国際テロの時代の中で)
著者等紹介
松戸清裕[マツドキヨヒロ]
1967年生。北海学園大学法学部教授、ソ連史
浅岡善治[アサオカゼンジ]
1972年生。東北大学大学院文学研究科准教授。ロシア近現代史
池田嘉郎[イケダヨシロウ]
1971年生。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。ロシア近現代史
宇山智彦[ウヤマトモヒコ]
1967年生。北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。中央ユーラシア近現代史
中嶋毅[ナカシマタケシ]
1960年生。首都大学東京大学院人文科学研究科教授。ロシア近現代史、在外ロシア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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