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岩波文庫
セザンヌ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 396,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003357316
  • NDC分類 723.35
  • Cコード C0171

内容説明

プロヴァンスが生んだ画家セザンヌ。その晩年に親しくつき合った同郷の若き詩人。ガスケは自ら目にし耳にした老画家の姿を丹念に記録した。ゾラとの友情、ルーヴルでの熱狂、そして芸術論…。傷つきやすい天才の複雑な内面を、詩的な言葉で再現した伝記と対話篇。

目次

第1部 私の知ることやこの目で見たこと(青春;パリ;プロヴァンス;老後)
第2部 彼が私に語ったこと(モチーフ;ルーヴル;アトリエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

28
2010.05.12 知り合った画家たちのセザンヌへの無条件の尊敬、のことを書いておく。ピカソ。『サント・ヴィクトワール山』。マティス。セザンヌの静物。りんご2個。シニャック。コローに傾倒したセザンヌ。ロマン・ロラン。(訳者解説)=與謝野文子。ジョワシャン・ガスケ。(ジョワシム・ガスケ)。セザンヌの友人アンリ・ガスケの息子。プロヴァンスはフランスの中心にあって別のフランスだ。ローマ帝国からの文明、いち早く受け入れた。未来主義創始者マリネッティ。2010/05/16

壱萬弐仟縁

9
1921年初出。「さあ、痛風のおじいさんに、『醜い男』を読んでやって下さいね」と言う」(45頁)。評者も中年でまだ薬飲み中性脂肪高い。「ルーヴル」の節でガスケ曰く、「ラスキンの言ったことはご存じですね、絵画という観点からすれば、彼の<<アダムとエヴァ>>が世界一の作品だと」(291頁)。セザンヌは写真でしか見ていないと吐露した。「アトリエ」の節でセザンヌは、「人生の頂上まで登りつめてきた人間で、自分に生命を感じている人間が、これから人生を踏みだそうという人たちの歩みを妨げるというのは不可能」(328頁)。2013/03/01

ラウリスタ~

8
セザンヌに興味が沸いたのは、ゾラを読んでから。本書はセザンヌの伝記であると同時に、ガスケの作品でもある。ガスケはセザンヌの友人の息子の詩人、哲学者らしい。セザンヌの絵は実のところちゃんと見たことはないのだが、絵画に対する取り組み方の激しさがやはり印象的。文学をやっているとどうしても出会うのが絵画であり芸術、その意味でゾラとセザンヌの関係なんかはとっても興味深い。それにしても学生時代から凄い仲間を得たものです。お互いにとって高めあう存在だったのか、それともどうなのか。2011/04/05

かみしの

7
セザンヌといえばキュビズムに連なる視点の複数化をはかった画家である、程度の簡単な認識しかなかったが、本書を読んでそんな骨ばっかりのセザンヌに血肉が通った。「コンフィダント・絆」のゴッホ以上に繊細で超越的な精神をもち、プロヴァンスの自然を愛し、ときには気が狂ったようになるセザンヌ。そのセザンヌを抒情性たっぷりに描写している。二部でつづられている自身の言葉は哲学がよく表れていて、「感情を原理としていない芸術は芸術でない」「真ん中には技巧、客観的なものがある」という部分に理の人と思っていたセザンヌの情を見れた。2016/07/19

Francis

5
セザンヌと親交のあった詩人ガスケによる評伝。セザンヌ自身の語りも文章になっており、セザンヌの息遣いを感じる。セザンヌがヴェロネーゼやティントレントらヴェネツィア派に強く惹かれていたことなど、今まで知らなかった彼の一面を知ることが出来た。2015/07/09

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