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岩波新書
シェイクスピアのたくらみ

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  • サイズ 新書判/ページ数 205,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311164
  • NDC分類 932
  • Cコード C0298

内容説明

シェイクスピアは、観客の反応を計算し尽くして、その作品を書いた。では観客がどのように劇に向き合うことを、彼はたくらんだのだろうか。『ロミオとジュリエット』から『あらし』に至る戯曲群を、その作劇手法に焦点を当てて丹念に吟味し、ロマン主義以来の見方を一変させる、ラディカルなシェイクスピアの発見へと読者をいざなう。

目次

序章 観客を操作するシェイクスピア
第1章 結末が分っている劇はどこが面白いか
第2章 喜劇の観客は何を笑うか
第3章 悲劇の主人公はなぜすぐに登場しないか
第4章 不快な題材はどう処理されるか
第5章 超自然的な存在はどんな役割を演じるか

著者等紹介

喜志哲雄[キシテツオ]
1935年生まれ。1964年京都大学大学院修了。専攻は英文学、演劇学。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Major

14
シェイクスピア作品をテキストの解釈にのみによらず、劇作家として、演出家として、そしてまた、役者としてのシェイクスピアを念頭におきながら論じているところが説得力がある。今や戯曲として、数々の日本語訳本が出回っているが、劇で演じられ初めて作品として完結することに気づかされる。古今東西の人間心理の観察と描写において世界随一の表現者であると思うが、その「たくらみ」がすべての作品における台詞や演出にあふれていることを教えてくれる。2017/09/02

K

14
作品ごとに章分けしてわかりやすく解説がなされているので、作品を読み終わるごとに読むとより深く楽しめます。2014/03/30

rosa

11
シェイクスピアが劇中の登場人物に没入するのを防ぐため、「観客の視点」に非常に気を配っていたことが分かる一冊。何故その視点に拘るのかというと、観客と劇中人物の情報量の差で魅せることを、反応を操作する軸として据えていたかららしい。コーラス(説明役)を巧みに用いて、観客が劇の流れに自然と目を向けるようにする技術は、どの作品をとっても創造的だ。そして、著者の簡潔な要約や考察はとても参考になった。新書とは思えない程、内容の濃い本である。2012/12/27

鐵太郎

8
シェイクスピアはどのように観客を楽しませたのか、というか、どのように観客を操ったのか、という視点で描いたシェイクスピア論ですね。シェイクスピアの戯曲は、約40篇とされていますが、このすべての戯曲について語る事はできないのだけど、まあその2/3程度であっても、シェイクスピアがどうやって観客を操作していたのかを書いてみようか、という意図で書かれたのがこの本です。ふむ、もっと真面目にシェイクスピアを読まなくちゃいかんな。2010/02/09

Takao

4
2008年2月20日発行(初版)。シェイクスピアに特に興味を持っていたわけではないが、自分の教養不足を補えれば、と思い求めた。本書は、シェイクスピアの主要な戯曲を取り上げ、彼の作劇の意図を読み解く。作品の題名こそ知っていたが、ほとんど読んだことがないものばかり。戯曲は俳優に演じられ、観客に見られることによって「現実」のものとなる。シェイクスピアが、当時のイギリスの観客にどのように働きかけようとしていたのかとても興味を持った。本書を案内人として彼の作品を読みたくなった。2018/11/23

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