内容説明
北斎、広重、写楽―江戸の浮世絵は、日本国内のみならず、海外でも日本美術の代表として人気が高い。なぜこのように親しまれているのか。浮世絵の歴史、ジャンル(美人画、役者絵、名所絵、花鳥画等)、彫り、摺りの創作技法、隠された主題の読み解き方など鑑賞のための基礎知識を紹介しながら、その魅力を探る。図版七五点を収録。
目次
第1章 浮世絵のながれ(浮世絵版画のはじまり;錦絵の誕生;現実に向ける眼差し;急速な大衆化)
第2章 錦絵のジャンル(美人画;役者絵;名所絵(風景画)
花鳥画
戯画
武者絵・物語絵)
第3章 重ねられた主題と隠された主題(イメージの重層を楽しむ―見立絵;世相諷刺を読む)
第4章 錦絵はいかにつくられ、売られたか(改め、彫り、摺り;販売の実態;購買層と値段)
第5章 錦絵の技法さまざま(摺り色制限の効果;空摺という技法―質感再現のために;ぼかしのさまざま)
著者等紹介
大久保純一[オオクボジュンイチ]
1959年徳島県生まれ。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専攻は江戸絵画史。現在、国立歴史民俗博物館研究部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi_N
8
浮世絵の勉強には参考になる。技法や画題など、奥が深い。2014/09/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
6
浮世絵の始まりにはいろいろ説があるとのこと。1624年ころの屏風の絵も浮世絵風だ。 本書では、その後の菱川師宣から説明が始まっている。 製法、販売方法、書き方などの説明もある。 浮世絵の種類もいろいろ紹介がある。春画の紹介はあまりない。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2010/01/06
中島直人
5
(図書館)なんとなくは知ってるつもりだったけれど、実は全然分かっていなかった浮世絵の世界。その意外に短いけれど、多様で奥深い世界を、さらっとなめることが出来る。絵も多くて楽しく読める。2023/12/11
ぴの
4
浮世絵入門書として読みやすい!北斎、広重、歌麿など有名どころばかりじゃないところがとってもいいです。2010/05/16
shigoro
3
『写楽 閉じた国の幻』で興味を持ったのでちょっと読んでみたが、初心者には過不足無く丁度いい情報量の新書だと思う。歴史・ジャンルから主題の見方、当時の売り方・売られ方など、痒いところに手が届く感じで読みやすい。色々な人を平等に扱いすぎて、北斎・広重・写楽・歌麿にもうちょっとスポットが欲しいようにも感じたが、有名どころは、あとでそれ専門の本を読めってことかな。 2012/03/03