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岩波新書
寺よ、変われ

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311881
  • NDC分類 185
  • Cコード C0215

内容説明

日本の寺は、いまや死にかけている。形骸化した葬儀・法事のあり方を改めるだけでなく、さまざまな「苦」を抱えて生きる人々を支える拠点となるべきではないか。「いのち」と向き合って幅広い社会活動や文化行事を重ね、地域の高齢者福祉の場づくりにも努めてきた僧侶が、その実践を語り、コンビニの倍、八万余もある寺の変革を訴える。

目次

プロローグ―世界は「苦」に満ちている
第1章 寺は死にかけている
第2章 なぜ仏教の危機なのか
第3章 苦界放浪―いのちの現場へ
第4章 寺よ、変われ
第5章 葬儀が変われば、寺は変わる
エピローグ―寺が変われば社会は変わる

著者等紹介

高橋卓志[タカハシタクシ]
1948年、長野県に生まれる。龍谷大学文学部卒、同大学院東洋史学科中退。海清寺(兵庫県西宮市)専門道場で禅修行の後、76年、神宮寺(臨済宗、長野県松本市)副住職、90年、住職。現在、長野県NPOセンター代表、ケアタウン浅間温泉代表理事、龍谷大学社会学部客員教授、東京大学大学院講師なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
今のお寺というのは、完全に葬儀とお墓の分譲だけのような感じです。それも徐々に冠婚葬祭会館系の業者に侵食されている状況なのではないでしょうか?昔はお寺というのは、その地域の文化の中心であったような気がします。医療や教育あるいは相談事などよろず屋のような位置づけでもあったと思われます。そのようなことを少しでも行うようにとこの住職はかなり奮闘されているようです。その意識がよくわかる気がしました。2015/11/09

佐島楓

52
現役の住職である著者の書き下ろし。この現代社会において、寺は、仏教は、人に何ができるのか。何をするべきなのか。その命題を深く考察し、実際に寺院でイベントを開催するなど、面白い取り組みもなさっている。何より仏教の存在意義について、いち宗教者がここまで悩まれているということを知ることができた。興味のある方にはぜひご一読をおすすめします。2015/07/28

モリータ

12
◆松本の神宮寺を拠点に、人々の「苦」=いのち全般に寄りそう実践的な活動を行なってきた僧侶が、伝統仏教衰退の危機に対して寺院がどうあるべきかを問う。◆その実践は生命と平和の学びの場(尋常浅間学校)、作務衣の販売を通じたHIV患者支援(タイ)、介護・ケアの拠点作り(浅間温泉)、パフォーマンスとしての盆法要の洗練化、故人の遺志を重視した葬儀など、教育・福祉・医療・文化・倫理といった多方面にわたるが、実践者の信仰や仏教教義は内に秘めて必ずしも出さない(参加者が要求してない場合も多い)というのが肝かと。2018/09/12

isao_key

9
長野県松本市の神宮寺住職である著者が、寺や僧侶に対して、今のままでは早晩死に至ると警鐘を鳴らし、これからの寺の役目やあり方について提言を示している。日本では長く葬式仏教と言われ、葬式や墓参りの際にしか寺と関わりを持たない人が、一般的である。しかし近年直葬という、死者を病院や自宅から火葬場へ直行させ、お通夜、葬儀という宗教的儀式を含めない葬儀が増えている。背景には現行の葬儀のあり方への批判や、坊さんたちへの拭いがたい不信感がある。葬儀ですら必要とされない現実がある。寺の意識改革が確実に必要な時期に来ている。2015/01/17

あべちゃん

4
高橋さんの着眼点に驚かされた。宗派は違うが、私も伝統仏教教団の僧籍を持っている身として今日の坊さんに対する目の厳しさにはどうしたものかと思っていたので、心震わされる試みがたくさんあり何度もため息をついてしまった。周りからは「パフォーマンス屋」的な見方をされるかもしれないが、お寺を地域に開いて活性化させ、現代の悩みを仏教に照らし合わせる姿勢にはたくさん学ぶものがあると思う。 ただ葬式や法事で終わらせるのではなく、長くつきあって頂けるお寺にするにはどうしたらいいのか。 そのヒントが詰まっているのではないか。2013/05/01

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