出版社内容情報
クロマグロの大量消費は何が問題なのか? 人類を養う絶妙な生物ネットワークの破壊が進んでおり、生物多様性条約、歯止めになっていない。世界のホットポットの現状と、保全のための新しい仕組みをレポート。
内容説明
クロマグロの大量消費は何が問題なのか?人類を養う絶妙な生物ネットワークの破壊が進んでおり、生物多様性条約もその歯止めになっていない。今なすべきことは何なのか。世界で最も多様性に富み、脅威にさらされているホットスポットの現状と、保全のための新しい仕組みをレポートし、人間と自然との関係修復を訴える。
目次
第1章 生物が支える人の暮らし
第2章 生命史上最大の危機
第3章 世界のホットスポットを歩く
第4章 保護から再生へ
第5章 利益を分け合う―条約とビジネス
終章 自然との関係を取り戻す
著者等紹介
井田徹治[イダテツジ]
1959年12月、東京生まれ。1983年、東京大学文学部卒、共同通信社に入社。つくば通信部などを経て1991年、本社科学部記者。2001年から2004年まで、ワシントン支局特派員(科学担当)。現在、科学部編集委員。環境と開発の問題を長く取材、気候変動枠組み条約締約国会議、ワシントン条約締約国会議、環境・開発サミット、国際捕鯨委員会総会など多くの国際会議も取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
生物多様性という概念についてはあまりよく分かっていませんでしたが、この本を読んでよくわかりました。文科系の記者さんが書いてくれているので一般の人にもわかるのだという気がします。絶滅危惧種ということで、めだかなども上がっていますがわたしも自宅の池などでめだかを飼っているのでそこらへんがよく分かります。また食べ物などでも海産物を中国など東南アジアでかなり大量消費をするようになりつつあるということも今後考えていかなければならないことなのでしょう。2015/10/21
翔亀
47
少し前のNHK「ホットスポット」を楽しく見ていた時は気にしていなかったが、この"最後の楽園"とは生物進化の奇跡が重要なのではなく、絶滅の淵へと追いやってしまったヒトの罪深き営みがクローズアップされ、いかに後戻りできないところまで来てしまったかが良く判る。そしてもう遅いかもしれないが再生への地道な取り組みが紹介されるのが心強い。科学担当記者らしく現場に足を運んでこそわかる危機感に支えられたこの問題への絶好の入門書。しかしそれが人類の危機であることを伝えることの難しさも同時に露呈しているところが悲しくもある。2016/06/11
i-miya
37
2012.11.04(初著者)井田徹治著。 2012.11.04 (カバー) クロマグロの大量消費は何が問題なのか。 人類を養う絶妙な生物ネットワークの破壊が進み、生物多様性条約の歯止めにならない。 人間と自然の関係の修復。 (井田徹治) 1959、東京生まれ、共同通信社入社。 (はじめに) クロマグロ。メバチマグロ。 ミナミマグロ。 鯵。 ハマチ。 しらうお。 市場取引、480種類。 どれ一つとして同じ模様のないアサリやハマグリ。 2012/11/04
i-miya
34
2012.12.11(つづき)井田徹治著。 2012.11.16 蜂群崩壊症候群(CEO)。 過去にもあるが、今回のは大規模なもの。 ◎ハチがつくるバニラの香り。 独特の香り。 19C、ヨーロッパ、中南米産ランの一種。 ある種の蜂、ハリナシミツバチ(メリポナビー)が授粉する。 ◎ダーウィンの菌。 ◎自然の授粉。 天然の蜂による授粉。 ◎巨大な利益。 授粉産業、19兆円、95%。 ◎生態系サービスという見方。 供給。サービス。 調節、基盤、文化的。 2012/12/11
i-miya
31
2012.11.17(つづき)井田徹治著。 2012.11.16 (鳥の役割) ◎鳥の種まき。 表1-1、損失と影響。 生態系サービスが失われたときの影響。 (1)種子の散歩=依存する植物の種の絶滅、減少、(2)授粉=近親交配、着果率の減少、(3)腐肉の消費=病気の流行、望ましくない種の増加、(4)捕食=虫害増→減収→病気。 歯を持たず呑み込むことの多い鳥類。 ナナカマドの戦略、朱い実。 種子表面に傷がついたり、体内で種子が出され果実消化のほうが、発芽率が向上する植物も。 2012/11/17