岩波新書<br> 勝てないアメリカ―「対テロ戦争」の日常

電子版価格
¥902
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

岩波新書
勝てないアメリカ―「対テロ戦争」の日常

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 258p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004313847
  • NDC分類 319.530
  • Cコード C0236

出版社内容情報

圧倒的優位にあるはずの米軍が「弱者」に翻弄される.衛星通信を使った無人の爆撃機や偵察ロボットなどハイテク技術を追求するが,むしろ犠牲者は増え続け,反米感情は高まる.負のスパイラルに墜ちた「オバマの戦争」.従軍取材で爆弾攻撃を受けながら生き延びた気鋭の記者が,綿密な現場取材から,その実像を解き明かす.

内容説明

圧倒的優位にあるはずの米軍が「弱者」に翻弄される。衛星通信を使った無人の爆撃機や偵察ロボットなどハイテク技術を追求するが、市民の犠牲は増え続け、反米感情は高まる。負のスパイラルに墜ちた「オバマの戦争」。従軍取材で爆弾攻撃を受けながら生き延びた気鋭の記者が、綿密な現場取材から、その実像を解き明かす。

目次

第1章 見えない傷(「見えない傷」を追う;発症メカニズムは謎;大統領の対応;二正面戦争のツケ)
第2章 従軍取材で見た基地の日常(山ほどあるルール;メディアとの闘い;基地の中は「アメリカ」;それぞれの思惑)
第3章 泥沼化する非対称戦争(「持てる者」と「持たざる者」;情報戦の厚い壁;果てしない「国づくり」;ローテクがハイテクを制す;「トモコ、これがIEDだ」)
第4章 「終わらない戦争」の始まり(ロボット時代の幕開け;誤爆のメカニズム;ゲーム世代の兵器;戦争の潜在化;「どう見られるか」の戦い;悪循環のスパイラル)
終章 勝てないアメリカ

著者等紹介

大治朋子[オオジトモコ]
東京都生まれ。1989年毎日新聞入社。阪神支局、『サンデー毎日』編集部、東京本社社会部、英オックスフォード大学留学(ロイター・ジャーナリズムスタディー・フェロー)等を経て2006~10年、ワシントン特派員。現在は東京本社外信部編集委員。2002・03年の新聞協会賞をそれぞれ受賞。2010年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

56
2012年、オバマ再選直前の書。アフガニスタンとの戦いがアメリカにとって最長となった段階で、その非対称戦争におけるアメリカの困難を様々な角度から見せる。著者はジャーナリストで、なんとアフガニスタン現地取材中に「10ドル爆弾」の別名を持つIEDの攻撃を実際に体験している。最新鋭の装甲車だったため命には別状なかったようだが、外相性能損傷(TBI)に対する深い関心を持つようになったとのこと。最後は実は戦争好きなオバマの後トランプを経て、バイデンによりベトナム戦終末のデジャヴのようなタリバン復活を予言する内容だ。2023/04/02

mitei

50
兵士は長期間過酷な作業をさせられてIEDのショックやPTSDになり帰ってから精神の異常をきたしたりとあまり表に見えない問題があるんだなとしった。結局アメリカは相手国を屈服させるために泥沼に自らはまりこんだんだなと思った。2012/11/14

かふ

22
圧倒的戦力差によって国対国の戦争がしにくくなったのと対称的に、AI無人機やハイテク装備の軍事大国対テロ組織の「非対称な戦争」が行われる。初戦こそ圧倒的勝利をおさめるものの長期化によって、占領地域を管理するのも傀儡政権を作ったとしても、反対勢力に支配権を奪われる。著者は毎日新聞の記者。イラクやアフガニスタンの対テロ戦争で米軍兵士が受ける小型爆弾によって、後遺症(TBI)が多くなっているという内容。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n5eb4e791b5002021/12/10

壱萬弐仟縁

14
TBIとは、外傷性脳損傷という(6頁)。クルマの事故でも発症するようだ。僕も昔の追突事故が気になるところ。先ほどの徴兵がアメリカ兵の場合、亡くならなくとも、関わることで病気にさせられているのだ。みすみす健康を失うために、何のために戦うのかと思う。16頁図のようにIEDというのもよくないな。蓋を開ければ兵士らは傷つき、世界の警察と自負するアメリカの意外な脆さを露呈していることがわかる本。ゲーム機のコントローラーがそのまま戦闘に使えるという(198頁)。これは日本人のゲーマーにも警鐘を鳴らす事例ではないか。2013/08/09

スカイバニラ

11
長く続く対テロ戦争で、世界最強であるはずの米軍がなぜ未だに勝利宣言できないのか。この戦争形態(COINや無人機等)と、そこに生じる負の側面について書かれた本。著者は毎日新聞のワシントン特派員だった人。米軍との従軍取材でアフガニスタンの米軍基地へ、そこでの日常についてや、MRAPに乗車しての移動中にIEDの攻撃をくらった時の体験等や、著者が米兵と行動を共にしているから目にする事が出来きた現場でのCOINの実態等について書かれています。2012/10/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5447208
  • ご注意事項