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講談社学術文庫
「音漬け社会」と日本文化

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062919395
  • NDC分類 304
  • Cコード C0110

内容説明

注意・勧告・案内・お願いなど、公共空間に日常的に撒き散らされている「音」。サービス・親切・気遣いのつもりの音の洪水が私たちに苦痛を与えるのは何故なのか。また苦情が理解されない背景には何があるのか。二人の哲学者が往復書簡の形で日本人の言語観・公共観・コミュニケーション観の特性を考察。感受性のマイノリティに救いの道はあるのか。

目次

第1信 「音漬け社会」
第2信 「言霊の国」
第3信 なぜ日本人は「あの音」に耐えられるのか?
第4信 理屈よりも感情を優先
第5信 日本人もすてたものではない
第6信 日本人(個人)と日本人(集団)
第7信 大多数の信念という不気味なもの
第8信 他者を理解せよ
第9信 誠実さと自己欺瞞
第10信 完全な理解はない
対談 コミュニケーションの心得について

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院哲学科修士課程修了。ウィーン大学にて哲学博士号取得。現在、電気通信大学教授

加賀野井秀一[カガノイシュウイチ]
1950年生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。同大学院修士課程(哲学)修了後、パリ大学で学ぶ。現在、中央大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ichiro-k

6
表面的には「両者とも日本を出て行きなさい」、でも「どこに行っても同じじゃねーの」と思うが、そんな単純なことを言いたいのではないようだ。チャーチルの「これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」という演説を思い出した。2011/08/07

オランジーナ@

1
このおじさん二人が、刺されずに生きてこれた日本の治安すごい。 自分としては、あまり音にたいして敏感ではないのでそこまで共感できなかった。ただ、地元のマックが広告ラジオを垂れ流すのはゆるさん。2021/08/07

ひろ

1
中島先生と加賀野井秀一による、日本に溢れる「音」あるいは「他者への寛容さを装った断絶と無関心」についての往復書簡。最初は「電車のアナウンスがあまりにもうるさい、うるさいというのは誰も聞いてもないのにいちいち自動音声が注意ばかり述べ立てる」ということへの文句から始まってるのだが、次第に論点は「はじめに」で述べられる「あなたは日本が好きですか?」という問い、そして個人主義とコミュニケーションに関する哲学的問いへと移っていく。のだけど、何よりも面白いのが最後の章での対談で、中島、加賀野井両著者ともに、往復書簡で2017/02/22

おとや

0
ぼくも割とこの「音」が苦手な部類に属する人間なので(さらに言うと、東京なんかの「文字の洪水」には本当に辟易する)、中島氏の著作は何冊か読んでいるのだけれど、本書は中島氏という、言わば剥き出しでゴツゴツした感のあるドイツ哲学者と、加賀野井氏という柔らかな手触りのあるフランス哲学者(とは言え、どうやらこの方も一筋縄ではいかないようであるが)の往復書簡という形式を取っており、お二方(といっても、ぼくは加賀野井氏の著作は未読)の新たな一面が垣間見られたように思う。一方で、タイトルにある「音問題」は議論の入り口でし2015/01/21

モモのすけ

0
「日本人はお上のご託宣とソフトに横車を押す輩の身勝手さにからきし弱い」2009/08/01

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